人気ミュージカルシリーズ「シャーロック ホームズ」新作、シーズン2が、4/26いよいよ開幕!
囲み取材&公開ゲネプロ
4月26日に開幕となる、ミュージカル『シャーロック ホームズ2 〜ブラッディ・ゲーム~』(劇場:東京芸術劇場プレイハウスにて)の初日前日会見と公開ゲネプロが行なわれた。
今作品は、韓国発の創作ミュージカルであり、昨年1月に上演し好評を得た『シャーロック ホームズ~アンダーソン家の秘密~』に続くシリーズ2作目となる。前作から続投のホームズ役・橋本さとしとワトソン役・一路真輝に加え、今回、別所哲也、秋元才加、小西遼生、良知真次など、ミュージカル界の実力派が新たに集結し、ファンの期待も高まっている。
舞台上には石畳を想起する大型パネルの壁。迫るような印象を与える。そして固く冷たい礼拝堂から物語は始まり、荘厳な空気に包まれる。救いを求め集まる人々と、慈愛を込めた歌声で語りかけるマリア(秋元才加)。秋元は、今まで演じて来た役柄や従来のイメージとはまた異なる受動的で無垢な女性像を好演する。透明感のある歌声が広がり、観客も礼拝の参列者の1人になったような気持ちにすらなる。そしてマリアの傍らに現れるエドガー(Wキャスト この日は良知真次)の表情は悲しみに溢れている。彼は何者なのか、マリアと彼の関係は?良知の端正な面立ちが一層エドガーのミステリアスさを際立たせている。ダブルキャストの小西遼生との”エドガー対決”にも期待が高まる。
橋本さとしのホームズと一路真輝のワトソンのコンビネーションは今回も健在だ。奇抜で、常に推理で頭が一杯のホームズと現実主義のワトソン。今回、彼らは女王陛下の命でパリにいた。ロンドンで起こった連続殺人事件の捜査をレストレード警部(コング桑田)から依頼され、ロンドンに呼び戻されるホームズ。潜入した犯罪者の巣窟で、ホームズはバーミンガムから来た敏腕警部クライブ(別所哲也)と出会う。相当な切れ者のようで、何やら手強そうな男だ。
橋本さとしと別所哲也は、「ミス・サイゴン」エンジニア役や、「レ・ミゼラブル」ジャン・バルジャン役で、同時期に同じ役にキャスティングされている。稽古場で共に励んで来た仲だが、実は、今回のように舞台上の共演は初めて。身長180cmを軽く越える二人が並び立ち、豊かな歌声でハーモニーを奏でる姿は、迫力と華があり圧巻だ。
登場人物たちの運命の糸がどのように繋がり合うのか。ホームズとワトソン自身が事件に巻き込まれてゆくスリリングなストーリー、そして、残酷な連続殺人事件のパンドラの箱が開いた時、そこにあるものは…。サスペンスであり、哀しい愛の物語でもある。
楽曲は、聖歌やダンスナンバー、アンサンブルのコーラスが迫力の大ナンバーなど、ドラマティックでバラエティに富んだ曲調で構成され、心情を映し出すメロディーラインはこの作品の大きな個性になっている。推理にふける時は、その有り余る思考を写し取ったような複雑な旋律を奏で、感情が溢れだす時は、パワフルで決意に満ちた旋律を響かせる。歌い手にとっては難度が高い旋律だが、物語のうねりに合致した時、大きなドラマを生み出す装置になっている。韓国ミュージカルの個性とも言える”音楽の強さ”を、劇場で是非体感してほしい。
また韓国発の本作品が、日本のキャスト、スタッフにより、新たな感性で解釈され、アレンジされ、まったく違う個性を持った作品になっていることにも注目だ。
例えば、この作品は、ワトソンが女性である事も特徴の一つだが、作品が創られた際、その発端は意外にも、「歌声のバランス上、コンビの片方を女性にした」というドライな発想からであると聞いた。実際、韓国版では2人はあくまで “上司と部下”のような関係を保っているが、日本版では2人の間にそこはかとなく“大人の恋心”を感じる。その為か日本版では、”どこかホームズを手の上で転がす、“世話女房的なワトソン”といった新たな関係性が生まれ、橋本一路の軽妙かつ絶妙なやり取りは好評を得た。
今回のシーズン2も、描き出される感情の流れや、作品解釈のアプローチなど、日韓バージョンそれぞれ異なる点を発見する事ができるだろう。衣裳、セット、演出などもまた一味異なり、日本版はより日本の観客に向けカスタマイズされている印象を受ける。
一つの作品でありながら、日本版と韓国版では異なる表情を見せる本作品。
韓国へ観劇に足を伸ばすミュージカルファンも多い昨今、日韓バージョンを見比べる楽しみにも繋がるのではないだろうか。
ゲネプロに先立ち行なわれた囲み会見では、本番を直前に控え、各キャストが抱負を述べた。
橋本さとし「(昨年1月に上演した前作の)シーズン1の時より出演者が増えて、楽曲の空気感もスケールアップしています。今回は“切り裂きジャック”という世界的にも有名な犯罪者とホームズが対決するというのがスリリングで面白いと思いますし、犯罪が起きる過程においての人間描写が深く描かれていますので、そこもご注目頂きたいと思います。チケットを買い劇場に足を運んで頂いた皆様に、絶対に損をさせないような作品に仕上がっていると思います。自分の経験上今までにない位のワクワク感があります。それだけエンタテインメント性がとても高く、「良い作品にしよう」というカンパニー皆の発信の集結がお届けできると思います。最高の作品にしたいと思います。」
一路真輝「ミュージカルの続編は珍しいと思いますが、内容は全然変わっていても、キャラクターとしてホームズやワトソンたちが軸としてそのまま残っていながら世界観が広がっていくということが面白味だと思いますので、非常に大事な役割を担わされていると思います。そのあたりを心して演じていきたいと思っています。そして今回、新しく出来上がっている世界は、前作以上にスケール感が大きくなり、エンタテインメント性がより優れたものになっていると思います。」
秋元才加「さとしさんと、一路さん、素晴らしい方々と共演させて頂いて、その中で学ばせて頂けるのは本当にありがたいことだと思っています。私の演じるマリア・クララという役もこの物語の中で重要なキーとなる役なので、一生懸命務めさせて頂きたいと思っています。ドキドキしています。でも楽しいです。」
小西遼生「僕の演じるエドガーという役も物語で重要な役割を担っています。良知君とダブルキャストですが、キャラクター性もだいぶ違った作りになっていますので、一度ならず二度お客様には楽しんで頂けると思います。そして今回、演じていても聞いていても音楽が凄くスケール感やバリエーションがあり、飽きないものになっていると思いますので、そこを楽しんで頂けたらなと思います。あとはマリアへの愛を貫いて頑張っていきたいと思います。」
良知真次「シーズンものという軸がある中で、世界観を広げなければならない役柄として、ダブルキャストの小西君と稽古で役を作ってきました。僕と小西君のエドガーは同じ役でもやっぱり違って、それを(2人のシーンが多い)マリア役の秋元さんは受け止めてくれます。良い意味で小西君のエドガーに負けないように、そして、両方のバージョンを観て楽しんで頂けるよう、頑張りたいです。」
別所哲也「ワクワクしています。初めて韓国ミュージカルに参加できるというのは嬉しく、また、“シーズン2”であるとか、ワトソンが女性であるとか、様々な斬新で面白い部分が沢山あるカンパニーに、安心して舟に乗るという感じです。とにかくホームズとワトソンがとてもチャーミングで、軽やかに時にリズミカルに物語の謎解きしてくれるので、警部役で出演する僕も含め、今回シーズン2で参加する仲間と一生懸命楽しく物語を運んで行ければと思います。」
ミュージカル『シャーロック ホームズ2 〜ブラッディ•ゲーム〜』は4月26日から5月10日まで東京芸術劇場プレイハウスにて上演。他各地公演が続く。
ミュージカル『シャーロック ホームズ2 〜ブラッディ•ゲーム〜』
【演出】板垣恭一 【訳詞】森雪之丞
【上演台本】斎藤栄作 【音楽監督】佐藤史朗
【脚本】キム・ウンジョン 【作詞】ノ・ウソン 【音楽】チェ・ジョンユン
【出演】橋本さとし 一路真輝
秋元才加 小西遼生(Wキャスト) 良知真次(Wキャスト)
竹下宏太郎 まりゑ 春風ひとみ コング桑田
別所哲也
【東京公演】2015年4月26日(日)〜5月10日(日) 東京芸術劇場 プレイハウス
企画・製作:キューブ・東宝芸能
【福岡公演】2015年5月16日(土)、17日(日) キャナルシティ劇場
主催:キャナルシティ劇場、キューブ、東宝芸能
【兵庫公演】2015年5月21日(木)〜24日(日) 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
主催 関西テレビ放送/キューブ/兵庫県/兵庫県立芸術文化センター
協力 リコモーション
【チケット一般発売】一般前売開始: 東京•福岡:2015年 2月21日(土)
兵庫:3月21日(土)
【オフィシャルサイト】http://www.s-holmes.com
撮影:難波亮