兵舎での共同生活にも楽しい時間がある(写真/韓国陸軍公式サイトより)
軍隊ではひたすら我慢?
最近では、10人以下の少ない人数で共同生活をする形にしたり、階級ごとに部屋を分ける取り組みも行なわれている。
それまでは上官と部下が同じ部屋で生活しており、部屋の中でも上下関係が生まれていた。それが、いろいろな問題を引き起こした。改善策として、階級ごとに部屋割りをする動きも出てきたのだ。
とはいえ、軍隊は1日でも早く入った人が先輩になる。階級は同じでも、先輩・後輩という上下関係が生まれている。つまり、同じ階級の中でも根本的ないじめやしごきはなくならないのだ。
むしろ、上官がいたほうが歯止めになる場合もある。そう考えると、一番の改善策は個室にすることかもしれないが、軍隊にそこまでの余裕はない。
そうであるならば、コンピュータ室、ゲーム室、トレーニング室、カラオケルームといったものを充実させて、自由時間にリラックスできるようなスペースを用意することも大切だ。
ただ、あくまでも軍隊なので規律が何よりも優先する。上官の命令には絶対服従だし、共同で作戦を遂行するという意味では団体生活が欠かせない。また、緊急出動を考えた場合、大部屋で生活しているほうがみんな素早く動けるのは確かだ。
軍隊である以上は、家庭のような快適な生活を求めるわけにはいかない、という論理もある。国防省は兵舎の改善を強調しているが、どれだけ進展するかは未知数であり、やっぱり「軍隊ではひたすら我慢」という状況はあまり変わらないかもしれない。
文=康 熙奉〔カン ヒボン〕