「全ての問題を解決するカギは受信料の引き上げだと思う」。
韓国の放送局KBSのヤン・スンドン社長は9日、任期終了のメッセージでこのように述べた。ヤン社長はこの日、KBSを通じて公開した離任のメッセージで「KBSの社長として3年8か月の任務とKBS社員としての33年の旅を終え、1人の人間に戻る」と発表した。
さらに「 KBS社長兼経営者として仕事した3年8か月は、多事多難な時期だった」とし、「KBSの正常化に向けた多くの課題を抱えながらも、意気揚々と出発したが、現実は厳しかった」と振り返った。
そして「翼を失ったように墜落したKBSへの信頼は回復を見せた」とし、「公営メディア研究所がカンタコリアに依頼している4半期ごとの調査では継続的に信頼度が上昇しており、2020年の放送通信委員会の放送評価においても、KBS1TVが再び1位となった」と自身の業績を強調した。
また「KBSラジオの視聴率も上昇を続け、各種デジタル・プラットフォームを通じたKBSコンテンツの到達率も継続的に上昇してきた」とし、「もちろん、創造力をさらに発揮して速度を増していかなければならないが、KBSは公営メディアとして進化している」とつづった。
任期中に改善が不十分だった部分については、受信料引き上げの必要性を再び強調した。
ヤン社長は「地方局の機能調整という問題を解決できなかったのは残念だ。この間、訪問することができなかった6つの地域局を最近まわった結果、人手不足の状況がすぐに目に映った」と明かし、「5年の間に1000人以上の社員が退職することになるが、新規採用の規模がそれに追いついていない」と説明。「人手不足の問題は次期執行部が知恵をしぼって革新的な解決策を立てるべき課題」と強調した。
具体的な解決策について、ヤン社長は「人手不足、地域局などの問題は未来への不安をもたらしている」とし、「私はこれらの問題全てを解決するカギは受信料引き上げだと考える」と主張した。
彼は「メディア環境が急変している状況の中、KBSが中心となって公営放送の役割をしっかり果たしていくためには、受信料の比重を財源全体の最低でも60~70%程度に引き上げなければならない」とし、「受信料の引き上げにより、もう1段レベルの高い放送サービスが可能になり、KBS内部変革の起爆剤、ひいてはKBSが再度飛躍するための原動力になる」と見解を示した。
さらに「受信料の引き上げは2年以上推進してきたプロジェクトだが、いまだに実現できていない課題だ。次期社長と経営陣が全社員の心と力を結集し、実現してくれると信じる」とつづった。
WOW!Korea提供