「インタビュー後編」ジュノ(2PM)、俳優として名を挙げてみたい

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“演技ドル(=演技をするアイドル)”という修飾語は、時には意図せず偏見を伴う。アイドルだという理由で、到底こなせない役にキャスティングされ、その実力は大したことないという偏見だ。そのため、より厳重な物差しで評価され、態度が誠実でないときめつけられたりする。しかし映画「弁護人」とtvNドラマ「ミセン」に出演したシワン(ZE:A)は、そんな偏見を見事に打ち破ったのだ。

映画「監視者たち」は「2PM」メンバーのジュノの発見だった。出演分量は少なかったが、自分の役割を忠実に果たし、劇中の緊張感を与えた。一部の観客は「アイドルではなく新人俳優かと思った」と、惜しみない賞賛を送った。「監視者たち」が俳優イ・ジュノの可能性を見せた作品だったのなら、主演を務めた映画「二十歳」は俳優として評価を受ける試験台だった。「俳優として名を挙げてみたい」と覚悟を見せたジュノから本作について聞いてみた。

―同い年の俳優キム・ウビン、カン・ハヌルとは親しくなりましたか?
そうですね。それまでは二人とほとんど面識がありませんでした。二人は別の作品で共演していましたが、僕は初めての出会いでした。何となく距離感があった気がするけど、とにかく正直で気取らないので、すぐに話が合いました。何も隠さずいろいろ話しましたね。同い年というのがシナジー効果をもたらしました。会話は主に「起・承・転・結」です。ほとんどが仕事の話で終わります。三人ともめいっぱい仕事をしているので、仕事に対する話がものすごく多かったです。映画のように女の子の話をすることは、ほとんどしなかったですね(笑)

―映画で三人の関係が面白く描かれていましたが、実際はどうでしたか?
実際の様子とキャラクターの感じは似ています。ウビンはよくふざけるし、ハヌルは常にイジられ、僕は映画のように間で話を聞いて同調する、という感じです。ハヌルは本当にいい人です。ある時、撮影が終わって気分がよくてスタッフとお酒を飲んだんです。いつも愛嬌のある人なんですが、その日は本当に幸せだったみたいで、宿の前で「スタッフみんな出て来い」なんて叫んで可愛らしいんです。明け方から撮影があったスタッフにはハヌルの叫びがモーニングコールになったようです(笑)。

―劇中、カン・ハヌルさんが演じるキョンジェは、普段はおとなしいが酒を飲むと180度変わる人物でしたが、実際もそんな感じですかね?
いや、ハヌルとウビンはものすごくお酒を飲みます。ハヌルは酔っているのがわからないくらいです。僕は恥ずかしいくらいに飲めないんです。映画会社の社長さんがくださった焼酎4杯飲んでつらくて、それ以上飲めませんでした。

―昨年のクリスマスイブは三人で一緒に過ごしたそうですね?
ハヌル、ウビン、「CNBLUE」のジョンヒョンと4人で過ごしました。実際僕はちょっと立ち寄っただけなんですが、3人はもう杯を傾けていました。4人で「俺たち、一体何をやっているんだろう」と言っていたんですよ。すごく雰囲気のいいお店なのに、男4人でいるからお互いに「腹立つ」なんて言ったりして(笑)。

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―キョンジェの妹ソヒを演じた女優イ・ユビさんとの共演はどうでしたか?とても可愛らしいカップルでしたね。
ユビは本当にかわいいですね。映画のキャラクターと同じです。なんかいつもピョンピョンした感じで、元気があって愛嬌もたっぷりです。同じ90年生まれなんですが、僕は1月生まれでユビは11月なので、僕のことを「オッパ(=お兄さん)」と呼ぶんです。

―劇中の中華料理店が三人のアジトの役割をしていますが、そこで体当たりのケンカをするシーンが印象的でした。
画面が止まる場面があるのですが、ワイヤーをつけて立ち止まって1分以上、瞬きもしないでいたんです。1分30秒くらい目を開けていたんですが、涙が止まらなくて大変でした。カメラが寄ってきたら目を開けて、遠くなったらこっそり瞬きしていました。振り返ってみると、そういったことが僕たちの映画の魅力だと思いました。あえて荒い感じをだしたのではないかと思います。それが監督のカラーですから。

―争う姿が本当に愉快でした。
前作の映画「侠女:刀の記憶」でしっかり取り組んだ武術に、派手なアクションを入れて撮影していました。今回もそんな感じかなと思ったのですが、武術監督が「ちょっと争うだけだから」とおっしゃるんです。楽な気持ちでやるように言われました。チンピラ役の方々が「僕たちが強いわけだから、一旦やられてください」と冗談を言ったりもしていました。「こうして撮ることもあるんだな」と思いました。劇中の中華料理店はセットでしたが、1週間ぐらい続けて撮影しました。三人で笑ってしまい、NGが多かったです。ウビンが僕にお金を投げるシーンがあるのですが、きちんと僕が着ていた服の中に入ったんです。みんな大笑いして大変でした。

―キム・ウビンさんが演じたチホと、カン・ハヌルさんが演じたキョンジェは、個性がはっきりしていますが、「2PM」のメンバーと比較するとどうですか?
キョンジェはテギョン兄さんですね。恋愛を文字で学ぶスタイルです。賢いのに、賢いだけの人なんです(笑)。チホのように恋多き人はいませんね。顔の広さはJun.K兄さん、無茶苦茶なキャラクターはウヨンです。真面目なのに時々ものすごく無茶なことをして驚かせます。

―歌とダンスはもちろん、作曲・作詞に続いて演技までしていますが、それぞれどんな魅力がありますか?
歌手はまず、幼い頃から夢見たものだから一番愛着があるものです。ステージの上で観客と呼吸を合わせてコンサートをする時の喜びは何とも言えません。一番幸せな瞬間です。作詞・作曲をする時は、一人だけの喜びを感じるけど、僕が作った歌で2時間のコンサートをしたら、とても胸がいっぱいになります。俳優は、たった今始めたばかりで、新人に戻った感じです。何をしてもうまくできそうな自信もあります。覇気があふれていますね。「何でも来い」という感じです。

―俳優として、また歌手としての目標は?
俳優として、歌手として、好きなことをずっと続けていくことが夢です。俳優としてもチャンスはあるのではないですかね。「2PM」として感じたことを、俳優としても感じみたいです。一回くらい名を挙げててみたいと思っています。期待される俳優になれたらうれしいです。

―多くのアイドルが演技に挑戦しているが、ジュノさんだけの魅力といえば何でしょう?
さわやかさ?「2PM」のメンバーとしても俳優としても“さわやかさ”があります。周りからは目立たない顔が長所だと言われるんですが、初めは僕に魅力がないということかなと思いました。だんだんとそれも魅力なんだと思うようになりました。

―ことし韓国で公開予定の映画「侠女:刀の記憶」では、どんな姿を見せてくれるのですか?
今回の「二十歳」とはだいぶ違います。出演する分量は少ないけど、確かなことは、登場がものすごくかっこいいということです(笑)。

WOW!korea提供

2015.04.04