10年前の感動は倍になった。歌に演技は言うまでもない。ミュージカル「モーツァルト！」のキム・ジュンスが新型コロナの憂いに陥った観客を完全に慰労した。
ジュンスは、2010年に「モーツァルト！」でミュージカルデビューに成功した。苦悩と悲しみに満ちたモーツァルトを完全に自分のものにして新しいモーツァルトを完成したという好評を受けた。俳優として初めて3000席の世宗文化会館の15回の公演を完売させるという大記録を立て、合計4万5000人の観客を泣かせて笑わせた。

そんな彼がミュージカルデビュー10周年を迎え、6月17日に「モーツァルト！」で戻ってきた。さらに深く鮮明になった歌唱力は当然の事。加えて一時も目を離すことができない熱演で150分間の壮大な大劇場を満たした。ジュンスは10年前の姿をそのまま呼び起こし、より大きな感動を与えた。
今回もジュンスがモーツァルトであり、モーツァルトがジュンスそのものだ。思慮分別のない若いモーツァルトから彷徨する時代を経て、悲劇的で寂しい死に至るモーツァルトの人生をものさびしく彼独自のカラーで描いた。モーツァルトがまるで生きて帰ってきたかのように舞台のジュンスはキャラクターと渾然一体だった。

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