朝鮮王朝の27人の国王の中で、世を去ったときに国王でなかった人は8人もいる。意外と多かったのである。その中で、退位後にも長生きした人をランキングで明らかにしてみよう。
息子同士の争い
まずはランキングを見てみよう。
〔退位後も長生きした国王〕
順位 王名 退位後の生存年
1位 2代王・定宗 19年
2位 15代王・光海君 18年
3位 27代王・純宗 16年
4位 26代王・高宗 12年
5位 初代王・太祖 10年
なお、5位となっている初代王・太祖(テジョ)には、最初の妻との間に6人の息子がいた。その息子たちは朝鮮王朝建国の大きな力となった。
しかしながら、王になった太祖は、二番目の妻から生まれた末っ子(8男)を後継者に指名した。
多くの功績を残した5男・芳遠(バンウォン)は、その決定に怒りをあらわにして、末っ子の異母弟を1398年に殺してしまった。
このことにショックを受けた太祖は、病にふせって王位を退いてしまう。このとき、事件の首謀者だった芳遠は、一番年上の二男(長男はすでに亡くなっていた)を王に推薦した。自分がいきなり王になると、あまりに反感を買うので、いったんは後ろに控えようと思ったのだ。こうして、1398年に41歳の二男が2代王・定宗(チョンジョン)となった。
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