2017年の5月10日から7月13日までMBCで放送された『君主-仮面の主人』は、かなり実験的な作品だった。『宮廷女官 チャングムの誓い』など、時代劇の傑作を数多く送り出してきたMBCが、新しい方向性を求めて斬新に企画したのが『君主-仮面の主人』だったと言えるだろう。
新しい撮影スタイル
従来、韓国で放送されるドラマは「月火」「水木」「土日」というように、1週間に2回ずつ2夜連続で放送されるのが一般的だ。その場合の1回あたりの放送時間は65分前後である。
それに対して『君主-仮面の主人』は、水曜日と木曜日の2夜連続ではあるものの、1回あたりの放送時間が35分。つまり、従来の半分である。
よって、『君主-仮面の主人』は全40話ではあるが、放送時間が短いので、全体の長さは全20話に匹敵する。
新しい試みを始めたMBC。1回あたり65分のドラマを週2回放送すると、撮影現場は徹夜続きになる。過酷な撮影が様々な問題を起こしており、撮影スタッフの労働環境の改善のためにも、新しい撮影スタイルが必要であった。その流れの中で『君主-仮面の主人』が企画されたの。(ページ2に続く)