NHK・BSプレミアムで放送の『オクニョ 運命の女(ひと)』。16世紀なかばの朝鮮王朝が描かれるが、このドラマの鍵を握る人物が文定(ムンジョン)王后である。この女性は、いったい何者なのか。
中宗の正室
『オクニョ 運命の女(ひと)』は「韓国時代劇の巨匠」と言われるイ・ビョンフン監督の作品である(韓国での放送時は『獄中花』というタイトルだった)。
イ・ビョンフン監督といえば、なんといっても『宮廷女官 チャングムの誓い』の演出家としてあまりに有名だ。
このドラマは朝鮮王朝の11代王・中宗(チュンジョン)の統治時代が舞台だった。当然ながら、文定王后もよく登場していた。なにしろ、中宗の正室だったからである。
『宮廷女官 チャングムの誓い』では、文定王后はそれほど悪人のようには描かれていなかった。
むしろ、思慮深い王妃のような場面も多かったほどだ。しかし、実在の文定王后はまったく違った。(2ページに続く)