集団的自衛権で日本でも軍隊のことが話題になっています。今後徴兵云々の話まで飛躍するとは思いませんが、韓国人にとって男子の兵役は生まれながらの当然の義務として受け入れられています。我々の頃は三年でしたが、今は二年(陸軍)に短縮されています。それでも負担になるのは間違いありません。
特にスポーツ選手や芸能人にとっては重要な時期だけになおさらです。二十二、三歳の一番ハツラツとしている時期の二年と前後の予備期間のロスは致命的です。いくら軍隊で体を動かしているといっても、プロの世界のそれとは比べものになりません。軍当局でもスポーツ選手のことを考慮してスポーツチームなどを編成していますが、それだけでは不十分です。
せっかくの逸材を軍隊で腐らせるよりは外国に出て国威を高揚させるべきだとの世論により、オリンピックやワールドカップなどの世界規模の大会で優勝するか、メダルを取れば兵役が免除されるようになっています。
ロンドンオリンピックのサッカーでの韓国と日本の三位決定戦では、銅メダルを取れば兵役免除になるのですから、日本の選手に比べればモチベーションが高かったに違いありません。
また、人気の移り変わりが激しい芸能界でも二年のブランクは大きいもので、本人が一番不安に違いありません。
最近は日本のファンのおかげで入隊する芸能人の模様が報道されるようになりました。兵役を二年全うし除隊すると、国民の義務を果たしたと褒め称えられています。人間としての信頼感が生まれイメージアップにつながります。
付け加えておきますと、芸能界にはスポーツのような免除の規定がありません。恐らくスポーツのような明確な基準がないからでしょう。
文=権 鎔大(ゴン ヨンデ)
出典=『あなたは本当に「韓国」を知っている? 』(著者/権鎔大 発行/駿河台出版社)
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