2PMや2AM、Wonder GirlsなどJYPエンターテインメントに所属するアーティストたちによる真夏の祭典「JYP NATION in Japan 2012」が、8月18日と19日に東京・国立代々木競技場第一体育館で行われた。
ソロシンガーとして活動する傍ら事務所のトップも務め、さらには所属アーティストのプロデュースから楽曲制作まで行う韓国随一の才人・J.Y. Parkを筆頭に、上記トップグループが多数出演するこのイベント。日本初上陸を果たした昨年とは舞台を移し、2日3公演で計3万6千人を動員と全公演で大盛況を記録した。
そんな一大公演のトップバッターを務めたのは、こちらも昨年に引き続いての先発起用となったmiss Aだ。日本での本格デビューが待望される彼女たち4人は、露出度の高いタイトな黒の衣装で登場。生バンドの演奏を背に、代表曲の『Bad Girl Good Girl』や『Good-bye Baby』などをセクシーなダンスで披露して観衆を釘付けにした。
続いての登場は、かねてよりアメリカでの活動も精力的に行い、この夏ついに日本デビューした5人組 Wonder Girlsだ。本国での最新シングル『Like This』で元気良く飛び出すと、miss Aとは対照的なシルバーの衣装を煌めかせていく。末っ子のへリムが「今年もJYP NATIONに帰って来たよ~♪」と可愛らしく微笑むと、さらには本国の各チャートを制した『Be My Baby』、アメリカのトップシンガー兼プロデューサー・AKONとタッグを組んだ曲『Like Money』とクールでダンサブルなビートを立て続け、女性客からも歓声を集めるアクトを展開した。
先日韓国でデビューしたばかりのHIP-HOPデュオ・JJ Projectがアグレッシヴなステージを見せ付ければ、JYPエンターテインメント初のラッパーとして活躍するSan Eは、Wonder Girlsのソヒが出演したミュージックビデオも話題を呼んだ『Love Sick』をセレクト。まだ日本では馴染みの薄い両者ながら、勢いを感じさせるパフォーマンスで会場の温度を一気に高めていく。
そんな場内が突如、悲鳴にも似た大歓声に包まれる。2AMの登場だ。艶やかな白スーツ姿の4人は、後方に設置された一段高いステージより『I Wonder If You Like Me』の力強いメロディを壮麗なハーモニーで響かせていく。同曲について「別れた恋人を忘れられなくて、近くで見守っている男の切ない歌です」とジヌンが説明すると、観衆は嬉しそうな表情で頷いている。そして9月12日にリリースするニューシングルで、TBS系ドラマ『走馬灯株式会社』に起用されている最新シングル曲『For you ~君のためにできること~』まで初披露と、それまでとは一転した荘厳な雰囲気で大観衆に素敵な一時を贈った。
2PMのジュンスが作曲したナンバー「離れていても」を2AMのチョグォンとデュエットした歌姫 JOOのアクトに続いては、お待ちかねの2PMがステージに姿を現した。緑色のレーザーが乱射される華やかな演出の元、2AMと同じ白を基調としながらも、よりタイトで肉感的な衣装で登場した彼ら。『Beautiful』の椅子を使った“人魚ダンス”で女性ファンを魅了した。
そしてウヨンが「今年のJYP NATIONはもっと盛り上がってますね!」と驚きの表情で続ける。ジュノが「いつも思うけど、皆さんハンパないね!」とおどけてみせれば、ジュンスは「だってファンの皆さんは綺麗だから……」といたずらっぽく微笑む。つんざくような黄色い歓声が会場に響き渡る中、5人は『I’ll be back -Japanese ver.-』『Heartbeat』と代表曲を畳みかけて、あたたかいファンに最高のお返しを届けた。
JYPエンターテインメントの総大将とも言うべきJ.Y. Parkのステージは、圧巻の一言だ。2PMのテギョンとWonder Girlsのイェウンによる当意即妙なデュエットを受けて、白の上下に膝下まであるカラフルなソックスを合わせたオシャレなファッションでステージに現れた彼は、「JYPの歌手の歌を作ると、時々私が歌いたくなります」とニッコリ。この日の参加アーティストを次々に迎え入れながら、言葉通りに自身が手掛けたWonder Girlsや2PMの楽曲を披露していくのだ。
自身はキーボードも奏でながら、2AMや2PM、Wonder Girlsにmiss A、JJ Projectのメンバーと共にする展開は、「JYP NATION」でしか体験できないレアすぎるアクトだ。中でも真紅のスーツ姿で登場した2PMのジュンスが、Wonder Girlsのソヒとユビン、miss Aのジアやフェイを引き連れて、J.Y. Parkの『Kiss』をカバーした耽美なパフォーマンスには女性ファンもウットリ。そのバトンを受けての再登場となったWonder Girlsも、日本デビュー曲『Nobody ~あなたしか見えない~(Japanese ver.)』からこの日の女性出演陣が揃い踏みした『Tell me』と、同様に豪華なステージを繰り出して存在感を示した。
近未来的かつ前衛的なアプローチで強烈なキャラクター性を提示した2AMのチョグォンと、サングラスに黒レザーのジャケットを羽織るクールな佇まいの2PM ウヨン。日本では初披露となる両者のソロステージ対決に華が咲いたその後は、この日のもうひとつのハイライトとなった2PM+2AM 'Oneday'によるアクトだ。
初夏に公開されたドキュメンタリー映画『Beyond the ONEDAY ~Story of 2PM & 2AM~』でデビュー以来初の共演を果たした両者だが、黒の正装で横一列に並んだその姿に、会場からは割れんばかりの大歓声が。9人は時に目を合わせて微笑み合ったり、ハイタッチを交わしながら会場中央まで伸びた花道を往来し、『One day』の感動的なメロディを紡いでいく。
また、彼らは毎週火曜日24時より東京MXで放送中のテレビ番組『2PM&2AM Wander Trip』でも共演しているが、2PMのチャンソンは「とても楽しく撮影していますので、ぜひ見て下さいね」と抜群の笑顔を見せ、終盤のステージに華を添えた。
そしてイベントはいよいよ佳境に突入する。再び登場した2AMが音符を一粒ずつ丁寧に編み込んでいくように『この歌』や『Never let you go ~死んでも離さない~』を歌い上げていくと、単独アクトのトリを務める2PMも負けじと『I'm your man』で“ネクタイダンス”を披露。『I Can’t』のラストで『愛してるよ』とささやいたジュノが、続く『Take off』の冒頭で投げキッスをプ
レゼントするファン垂涎のスペシャルアクトでクライマックスへ。この日の出演陣全員が参加した『10 out of 10(10/10)』で本編を締めくくり、アンコールも全員で応えてJ.Y. Parkの『私を離れないで(Don’t leave me)』と2PMの『Hands Up』を賑やかに披露して初日公演の幕を下ろした。
公演終了後にはサプライズとして、2AMにとって10か月ぶりとなる2nd JAPAN TOURの開催が発表された。これは本編終盤の出来事になるが、2AMのチョグォンが「お別れするのは残念だけどね……」とさみしそうな表情を見せた時、チャンミンが「次のツアーでお会いしましょう!」と笑顔を振りまいて『Never let you go ~死んでも離さない~』を再び披露する一幕があった。
日本デビューを目指すニューカマーたちから、世界規模での展開を見せるWonder Girls。そしてさらなる飛躍が待望される2PM・2AMと、JYPエンターテインメント所属アーティストたちはそれぞれに日本での躍進に向けて奮闘を続けている。また、時は違えどJYPの練習生として厳しいレッスンを共に乗り越えてきた彼らだ。こうして一堂に会せば、並々ならぬチームワークで夢のような一時までをも生み出せるのだ。
公演中のMCでは、2PMのチャンソンが「JYP NATION、来年も絶対やりたいですね!」と笑顔を見せ、ジュンスも「もっといい姿で最高のステージをお見せできるように頑張ります!」と宣言してくれた。来年以降も「JYP NATION」が開催されることを楽しみにつつ、今後のJYPエンターテインメントの動向に注目していこう。
カメラマン:田中栄治
■ライター:杉岡祐樹(プランテック)
<セットリスト>
M1「Bad Girl Good Girl」miss A
M2「Good-bye Baby」miss A
MC
M3「Touch」miss A
M4「Like This」Wonder Girls
M5「Be My Baby」Wonder Girls
MC
M6「LIKE MONEY」Wonder Girls
M7「Bounce」JJ Project+San E ※JJ Project楽曲
MC
M8「Love Sick」San E
M9「I Wonder If You Hurt Like Me」2AM
M10「電話に出ない君に」2AM
MC
M11「For you ~君のためにできること~」2AM
MC
M12「離れていても」チョグォン(2AM)+JOO ※2PM楽曲
M13「悪い男(Bad Man)」JOO
M14「Beautiful」2PM
M15「君がいれば」2PM
MC
M16「I’ll be back-Japanese ver.-」2PM
M17「Heartbeat」
M18「ニガ ナル トナンフエ(君が離れたあと)」テギョン(2PM)+イェウン(Wonder Girls)
※テギョン(2PM)オリジナル楽曲(音源未収録)
M19「You’re the one/U&I Ver.」J.Y. Park
MC
M20「忘れられない君」J.Y. Park+チャンミン(2AM) ※J.Y. Park楽曲
MC
M21「Be My Baby/Ra.D Ver.」J.Y. Park+チャンミン(2AM)+ジュノ(2PM)+テギョン(2PM) ※Wonder Girls楽曲
M22「Again&again」J.Y. Park+イェウン(Wonder Girls)+JOO+スジ(miss A)+ジア(miss A) ※2PM楽曲
M23「Bad Boy Good Boy」J.Y. Park+チャンソン(2PM)+ウヨン(2PM)+スロン(2AM)+JB(JJ Project)
※「Bad Girl Good Girl」miss AのBOYS Ver.
M24「Honey+彼女は綺麗だった(She was pretty)+私を離れないで(Don’t leave me)」
J.Y. Park+Jr(JJ Project)+ミン(miss A)+ヘリム(Wonder Girls)+ジヌン(2AM) ※J.Y. Park楽曲
M25「Kiss」ジュンス(2PM)+ジア(miss A)+ソヒ(Wonder Girls)+フェイ(miss A)+ユビン(Wonder Girls) ※J.Y. Park楽曲
M26「Animal」チョグォン(2AM)+ミン(miss A)+ジア(miss A) ※チョグォン(2AM)ソロ楽曲
M27「Sexy Lady」ウヨン(2PM) ※ウヨン(2PM)ソロ楽曲
M28「Nobody~あなたしか見えない~(Japanese ver.)」Wonder Girls
MC
M29「Tell me」Wonder Girls+miss A+JOO ※Wonder Girls楽曲
M30「One day」2PM+2AM ‘Oneday’
MC
M31「この歌」2AM
MC
M32「Never let you go ~死んでも離さない~」2AM
M33「I’m your man」2PM
MC
M34「I Can’t」2PM
M35「Take off」2PM
M36「Stay with me」2PM+miss A+JOO ※2PM楽曲
MC
M37「10 out of 10(10/10)」ALL Artists ※2PM楽曲
EN1「私を離れないで(Don’t leave me)」ALL Artists ※J.Y. Park楽曲
EN2「Hands Up」ALL Artists ※2PM楽曲