
スター俳優も、華やかな実写アクションもない。それでも、小さくてかわいいキャラクターたちが韓国公開前から20万人を超える観客の心をつかんだ。日本のアニメーション映画『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』が韓国で前売り率1位に浮上し、キャラクターIP(知的財産)の強さを見せている。
29日、韓国映画振興委員会の映画館入場券統合電算網によると、『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』は同日午前11時現在、前売り観客数20万4792人、前売り率40.9%で全作品中1位となった。
秋夕(チュソク、中秋節)連休の韓国の映画館を盛り上げた『暗殺者(たち)』『タチャ:ベルゼブブの歌』などの韓国映画を抑え、公開前から最も多くの観客に選ばれたことになる。
韓国で30日に公開される同作は、イラストレーター・ナガノによる人気キャラクター「ちいかわ」を主人公にしたアニメーション映画。日本では7月24日に公開された「ちいかわ」初の映画作品だ。
ある日、ちいかわとハチワレのもとに、うさぎが「特別な島へご招待」と書かれたチラシを持って現れる。魅力的な誘い文句につられ、ちいかわたちは島合宿へ向かうことになるが、そこで思いもよらない出来事に巻き込まれていく。
「ちいかわ」は韓国でも早くからファンダム(熱心なファンのコミュニティ)を形成してきた。注目すべきは、今回の前売りをけん引しているのが有名俳優や監督ではなく、キャラクターそのものだという点だ。
「ちいかわ」は漫画やアニメだけでなく、ぬいぐるみ、キーホルダー、文房具などのグッズやポップアップストアを通じてファンとの接点を拡大してきた。今年2月には、ソウル(首爾)・龍山(ヨンサン)のアイパークモールに韓国初の常設店舗もオープン。期間限定のポップアップストアで確認されたファンダムの需要が、常設店舗にまで広がった形だ。
キャラクターの力は、すでに日本の映画館でも証明されている。
『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』は、日本で7月24日に公開され、公開52日間で観客動員数1000万人を突破。興行収入も146億円を超えた。キャラクターのファンダムがグッズ購入にとどまらず、映画館での鑑賞へとつながった代表的なケースとなっている。
韓国でも同様の流れが見られる。映画公開を控え、舞台あいさつやキャラクターとのハイタッチイベントなど、ファンダムを意識したイベントが用意され、関連する前売り券イベントやグッズも相次いで登場している。
単に映画を見るだけではなく、「好きなキャラクターに直接会い、関連商品を手元に残す」という体験まで含めて、ひとつの消費につながっているのだ。
これは映画館にとっても、新たな観客を呼び込む方法が生まれていることを意味する。かつて映画のヒットはスター俳優や監督、ジャンルの力に大きく左右されてきたが、現在ではすでに強固なファンダムを持つキャラクターIPも、観客を映画館へ呼び込む新たな興行資産として存在感を高めている。
韓国映画界の関係者は「キャラクターのファンダムがグッズやポップアップストアでの消費を超え、映画館での鑑賞にまで広がっている点が目を引く」とし、「『ちいかわ』が公開前の前売りの勢いを実際の興行成績につなげることができれば、キャラクターIPを活用した映画コンテンツがさらに増える可能性がある」と話した。
WOW!Korea提供





