
闇が深く包む舞台。照明がゆっくりと灯り、5人のシルエットが舞台上に浮かび上がる。舞台背景は銀行の地下にある大きな金庫の前。名前も年齢も知らない5人が銀行の金庫を狙った作戦に突入する。
静寂を破る最初のセリフは登場人物の一人「盲人」の言葉だ。「北壁はチャンチュン(長春)だと言った」と発したのは現役最年長俳優、シン・グ。杖に寄りかかる姿ながら、その言葉には力強さと重みがある。「誰がその高い欲望の壁に登って栄光を手に入れるのか」という問いを投げかけ、劇中のキャラクターたちが持つ欲望と葛藤を比喩的に表現する言葉だ。
チャン・ジン演出の新作「フランス金庫:北壁に登る者は誰か」が7日、ソウル・チョンノ(鍾路)区テハンノ(大学路のNOLソギョン(西京)スクエアスコーン1館で幕を開けた。チャン・ジンが10年ぶりに執筆し、自ら演出も務める作品だ。彼特有の言葉遊びとリズム感あふれるブラックコメディとなっている。
作品は銀行の地下秘密金庫をめぐり集まった5人の息詰まる一晩を描く。唯一のルール「夜12時、すべての電気が消えたとき金庫が開く」に従い集まった彼らは大小の騒動を巻き起こす。
今回の公演で現役最年長俳優のシン・グは伝説的な金庫破りの技術者「盲人」役を演じる。彼の「盲人」は人物間の対立が高まる度にさりげなく一言投げかけ、場の雰囲気を和らげて笑いを誘う。かつてのシン・グのシットコムを覚える観客には懐かしい瞬間だ。
シン・グと共に舞台に立つ後輩俳優たちの心も特別だ。「密輸」役のチャン・ヨンナムは「劇の最初のシーンは緊張の極みだが、不思議とシン・グ先輩のセリフを聞くと心が落ち着く」と語った。
作品は犯罪を企てた面々の心理を通じて緊張感を高めつつ、絶えず笑いを産み出す。見栄を張るが抜けている「チンピラ」、徹底した準備を誇る優秀社員「銀行員」、欲望を見せまいとする「教授」、伝説の「海宮神遊図(海の中の宮殿で神々が遊ぶ様子を描いた絵)」を夢見る「密輸」などキャラクターがそれぞれの欲望を露わにし、観客は自然に彼らの物語に引き込まれる。
100分間衰えない俳優たちのアンサンブルと関係性も印象的だ。特に初めて演劇に挑むチュ・ジョンヒョクとクム・セロクは先輩俳優たちの間で大胆さと熱意を見せ、存在感を示す。
この公演のもう一つの見どころはカーテンコール。観客の拍手の中、後輩俳優たちからも敬意を受けながら笑顔で応えるシン・グの姿が、金庫を開けること自体を幸福とする「盲人」の顔と重なり、観客に深い感動と余韻を残す。公演は5月31日まで。

WOW!Korea提供






