韓国KBSで放送中の音楽番組「ユ・ヒヨルのスケッチブック」は約二か月遅れて日本で放送されている。先日の放送を見ていたら心を揺さぶる歌が流れた。それは『マイ・ディア・ミスター』の挿入歌「僕の心に映った僕の姿」だった。
唯一無二の名曲
韓国KBSで放送中の音楽番組「ユ・ヒヨルのスケッチブック」はグループトイ(TOY)のユ・ヒヨルがMCを務め、多彩なミュージシャンが出演する人気音楽ショーだ。この番組は時代やジャンルを越え多様な音楽が盛り込まれた高品格音楽番組といわれている。
8月24日の放送を見ていたら聞き慣れた歌が流れた。それは『マイ・ディア・ミスター』の挿入歌「僕の心に映った僕の姿」だった。その歌をキム・ピルが歌っていたことにも驚きを隠せなかった。
『マイ・ディア・ミスター』は作品の素晴らしさはもとより、ドラマOSTもかなり評価が高い。全てが素晴らしい曲なのは言うまでもないが、先日偶然耳にした曲が「僕の心に映った僕の姿」だったので今回はその楽曲を取り上げたい。
この曲は『マイ・ディア・ミスター』のために新たに作られた曲ではなく、1987年に発表された故ユ・ジェハの楽曲をクァク・ジノンがリメイクし『マイ・ディア・ミスター』の挿入歌になった曲である。
この曲は多くの歌手にカバーされ、ソン・ジュンギもかつて自身のファンミーティングでこの歌を披露したほど韓国人の間では言わずと知れた名曲なのだ。
「僕の心に映った僕の姿」の歌詞を見てみよう。歌詞を見ただけでもドンフン(イ・ソンギュン)とジアン(IU)の心が描写されているように感じられはしないだろうか。まるでこのドラマのために作られたかのような曲だ。
この曲はジアンとドンフンが夜勤後終電に乗ろうと走るシーンなどに流れ、クァク・ジノンの少し寂しげな歌声と相まって視聴者に強い印象を残した。
「僕の心に映った僕の姿」
掴めない夢のかけらは一つ二つと消えていき
堂々巡りのような終わりのないさすらいに 今日もしがみつく
嘘だと知りながら表では隠して
溜息交じりの一言に僕だけの真実が込められている
今さら何を足そうとするのか
耳を澄ませて聞かずに流してしまえばいいものを──
描けなかった僕の隙間は何で満たされるのか
それならいっそ僕の心に映った僕の姿を描き出そうか
目まぐるしさの中で長い眠りから覚めると周りには誰もいなかった
聞かなくても知っている場所 そこに行こうとする
憂いが募る日々をどうにか過ごして
消してしまったあの記憶を思い出してはまた忘れて──
この曲をカバーしたクァク・ジノンは2014年の「スーパースターK6」で優勝したシンガーソングライター。囁くように歌う彼の低音ボイスは聴く人の心を捉えて離さない。かのイ・スンチョルもクァク・ジノンを「見せるK-POPではない数少ないミュージシャン」と高く評価している。
2014年の「スーパースターK6」でクァク・ジノンと最後まで熾烈な闘い繰り広げ惜しくも準優勝となったのが、前述したキム・ピルなのである。キム・ピルも『梨泰院クラス』など多くのOSTに参加するシンガーソングライター。
イ・スンチョルはキム・ピルを「鋭いが透明で綺麗な氷柱のようなボーカル」だと高評価している。かつての有名オーディション番組でしのぎを削った2人が『マイ・ディア・ミスター』で流れる唯一無二の名曲をそれぞれの色で披露したことに心が震えた。
名曲は時を経ても色褪せない。MCのユ・ヒヨルも「僕の心に映った僕の姿」には時代を越えた何かがある。100年経っても色褪せないだろうと語った。いいドラマには必ずいい音楽が付随している。その音楽を聴くだけでいつでもドラマの世界に入っていけるのは本当に幸せだ。
文=朋 道佳
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