最近の韓国ドラマは変わった題材を取り上げることが多いが、その中でも特に『ヴィンチェンツォ』(tvN)は異質なドラマだった。特異なキャラクターを演じたソン・ジュンギも、本当に印象的な役をうまくこなしていた。
新たに役者魂
かつてのソン・ジュンギは甘い容姿を生かした柔らかいイメージの役をよく演じていた。しかし、最近はまるで違う。「多様性こそ俳優の持ち味」とばかりに、アクの強いキャラクターにも積極的に取り組んでいる。
『ヴィンチェンツォ』もソン・ジュンギの個性が十分に生きている。
物語の主人公となるヴィンチェンツォは、もともとイタリアのマフィアの出身だ。この設定が、今までの韓国ドラマでは絶対に見られない奇抜さに満ちていた。
そして、全編を貫いているテーマが「悪は悪で処断する」というものだ。
ヴィンチェンツォがマフィアの恐るべきスタイルで、悪者を徹底的にこらしめる。
とはいえ、ヴィンチェンツォは弁護士であり、ただ暴力的にふるまうわけではない。むしろ、インテリジェンスを駆使しながら巨大な権力に立ち向かっていく。
そして、痛快な報復劇というドラマ性がタップリ描かれているので、面白さが突き抜けていくのだ。
ソン・ジュンギも、完全にダークヒーローになったヴィンチェンツォに扮して、新たに役者魂の幅を広げたことは間違いない。
コロナ禍の現在は混沌とした不安な時代だ。そんな閉塞感を突き破って、ソン・ジュンギはまだ見ぬ地平線に突き進んでいる。
構成=「韓流テスギ」編集部
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