-劇中では、コン・ユさんとパク・ボゴムさんは兄弟のように心を通わせていく役どころでしたが、実際に撮影現場での様子はいかがでしたか?
現場ではコン・ユさんがボゴムさんの面倒を見てあげていて、ボゴムさんもコン・ユさんのことを慕っていましたね。2人ともまず相手を気遣う性格なので、何の問題もなく、本当の兄弟のように見えました。だから、なおさら、率先して現場を仕切ってくれていたコン・ユさんに対して、ありがたかったです。俳優というのは、やはり自分の演技に集中しなくてはいけないので、自分のことで精一杯になってしまったり、自分の感情を作るのに敏感になったりしていると、周りのことまでは気を遣えなくなってしまうんですが、コン・ユさんには強い責任感がありましたね。
-監督が特にこだわりを持って臨んだシーンやおすすめシーンなどがあれば教えてください。
よくこういう質問を受けるんですが、監督の立場としては全てのシーン、全てのカットが我が子のようなんですよ。このシーンは適当に撮って、このシーンは頑張って撮るということはないわけで、全てのシーン、全てのカットを全身全霊で撮っているので、どのシーンが好きかと聞かれると、“ママが好きか、パパが好きか”と聞かれているような感じになります。なので、僕が思うには、観客の皆さん、それぞれが楽しいと感じるシーンがその方にとって意味のあるシーンだと思います。僕からすると、編集でカットしたシーンでさえ、申し訳なくて…。そのシーンに出てくださった俳優に対しても、すごく申し訳ないというのが監督としての正直な気持ちです。
-ちなみに、今回はどういったシーンをカットされたんでしょうか?
アン部長役のチョ・ウジンさんのシーンをかなりカットしました。なので、ウジンさんに申し訳なく思っています。そういう部分で、監督たちは映画を撮り終えた後、罪人になったような気分になることがありますね(笑)。だからといって、全部を入れることはできないですから、編集をしないわけにもいかず。それがいつも申し訳なくて悩みのタネです。ギホンとソボクの2人が出るシーンはほぼカットせずに、そのまま使っていて、序盤でコン・ユさん演じるギホンの設定を見せるシーンは少し減らし、ウジンさんのシーンはかなり減らしました。それぐらいですかね。
-いよいよ日本でも公開となりますが、最後に日本の観客にメッセージをお願いします。
僕の作品が日本で公開されるのは「建築学概論」に続いて2作目になり、本来でしたら日本に行ってごあいさつをしたいところですが、それが叶わず、残念に思っています。早くこのコロナの状況が収束し、以前のような日常に戻ることを強く願っています。こういう状況の中ではありますが、映画館で映画を通して、皆さんとお会いできることを楽しみにしています。ありがとうございます。
取材:Korepo(KOREAREPORT INC)
『SEOBOK/ソボク』 7月16日(金)新宿バルト9ほか全国ロードショー!
余命宣告を受けた元情報局エージェント・ギホン(コン・ユ)。死を⽬前にし、明⽇の⽣を渇望する彼に、国家の極秘プロジェクトで誕⽣した⼈類初のクローン・ソボク(パク・ボゴム)を護衛する任務が舞い込む。だが、任務早々に襲撃を受け、なんとか逃げ抜くもギホンとソボクは2⼈だけになってしまう。
危機的な状況の中、2⼈は衝突を繰り返すも、徐々に⼼を通わせていく―。しかし、⼈類の救いにも、災いにもなり得るソボクを⼿に⼊れようと、闇の組織の追跡は更に激しくなっていく―。
出演:コン・ユ『新感染ファイナル・エクスプレス』パク・ボゴム「青春の記録」
監督:イ・ヨンジュ『建築学概論』
2021年/韓国/カラー/シネマスコープ/DCP5.1ch/114分/原題:서복
配給:クロックワークス
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