暗く不気味な雰囲気のお城。ぞっとするような姿の白髪老人が赤い血を飲み若くセクシーなドラキュラへと変貌する時から観客は‘不滅のラブストーリー’の中へ吸い込まれていく。
1897年に発行されたアイランド小説がブラムストーカーの同名小説を原作にした「ドラキュラ」は120年以上映画、演劇、TV等で多様に脚色され幾度も見てきた素材だ。ややもすれば見飽きてしまうストーリーは耳を掴んで離さない美しいナンバー(歌)とディテールが活きた派手な舞台で新たな風を吹かす。
170分(ランニングタイム)の間ずっと、目を離せない圧倒的なスケールで達成を作り上げる作品だ。19世紀のヨーロッパゴシック風様式を精錬に再現した舞台は勿論、映像の効果を極大化させるブラックスクリーン、4重のターンテーブル舞台、赤い色と青色を比べ強烈な照明でファンタジーミュージカルの精髄を見せる。
特に劇中で主要場面の背景にされるのはドラキュラの城、Whitby Bayの邸宅、地下納骨堂のには20個のポールが休む間なく回転し続け、パズルのように合わせては立体的に見える演出が圧巻である。
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