一過性のブームではなく、ジャンルとして浸透した韓国トレンド。
株式会社フィッツコーポレーションでも、昨年から韓国発の3ブランド「ダブルドレスルーム」「アルダウ」「モムチ」のお取り扱いを始めました。
どんなところが日本の私たちを夢中にさせるのか?韓国でK-beautyスペシャリストとして活躍するユンジさんから、その秘密と最新の韓国トレンドを教えていただきながら、3ブランドの特長も改めておさらいいたします。
K-beautyスペシャリスト ユンジさん
ソウル生まれ、現在ソウルのカロスキルにて韓国最新美容情報とトレンドを発信中。
現地のリアルな最新情報を素早く、そして商品ポイントを分かりやすく伝えるのが特徴。
健康的なライフスタイルに基づくうるツヤ肌とナチュラルメイクを追求。
ファッション、トレンドスポットも大好き。
Instagram:@yoonji_beauty
YouTube:https://www.youtube.com/c/YOONJITV
※以下テキストの「」内はすべてユンジさんコメントです。
韓国の最新香り事情を根掘り葉掘り!
【香りアイテムは小学生からが当たり前!】
「最近は化粧品も香水も小学生のころから使いますね。香水は小学生3~4年生頃からですが、より早くからボディローションやボディウォッシュの香りへのこだわりがあるようです。以前は、香水は20代から、主に異性に魅力的にアピールする目的がメインだったのですが、最近は生活の中で自分が好きな香りを身に着けること、香りに自分が癒されること、自分のアイデンティティを表現する手段の一つとして捉えられています」
多様化するなか保湿効果の高いがボディミスト人気!
「香水をベースに、ボディミスト、ファブリックミスト、ルームスプレー、ハンドクリーム、ヘアパフュームのような質感でボディに使うパフュームなど多様な形で楽しむようになりました。最近特に流行っているのは、肌への保湿効果も兼ねているボディミストです」
10代~20代では石鹸人気。対して、濃くて重い香りも急上昇中!?
「10代~25才ぐらいまでは、石鹸のような香りが一番人気が高いです。20代の男性も、女性から、清潔感&純粋な感じが伝わる石鹸の香りを好むようです。カップルの人には、少しセクシーな感じのする、『素肌の香り』というコンセプトで、ピーチがかった香りも人気です。20代後半~40代では、少し深みのある、ムスクやウッディーな香りを好む人も増えています。濃くてやや重たさのある、いわばジェンダーレスな香りを好む若い層も増えている様子です」
においの強い食事が多い韓国ではファブリックミストの愛用者多数<ダブルドレスルーム>
【Brand Profile】
2015年ファッションデザイナーのチェ・ボムソクが立ち上げたフレグランスブランド。調香・世界観・パッケージなどはニューヨークの街並みからインスピレーションを受け、彼自らがデザインしています。
韓国では著名アーティストグループのメンバーが愛用していることでも知られており、日本上陸前は日本のファンが韓国旅行で同商品をまとめ買いする様子が見られました。
「韓国でファブリックミストの人気は高まっています。韓国の代表的な家電会社のベストセラーに、着用済みの服を入れて殺菌、脱臭、乾燥をする機械があるくらい、お洋服のケアには気を遣っている国柄だと思います。
サムギョプサルなど、においの付く食事の多い韓国ではファブリックミストを愛用する人が多いです。
使い方としては、生地に向けて直接噴射することもありますが、シルクなどのむらができやすい生地の場合は、空中に噴射してその下でお洋服に下りるようにする場合もありますね。
香水など、肌につけるものと香りがぶつからないように、個性が強すぎないコットンの香り(上品な洗濯洗剤のような香り)が人気です」
韓国のおしゃれ上級者に支持されるマスクブランド<アルダウ>
【Brand Profile】
韓国語で”美しい”を意味する「Areumdawo(アルムダウォ)」が由来。
「カラーで世の中を美しくする」をモットーに、2020年、カラースペシャリストのイ・スンヨンとファッションデザイナーのチョ・ジャインが立ち上げました。
ひとりひとりに似合う色を提案し、カラースタイリングを通じて自分らしく自然な美しさを実現できるように、様々なカラートレンドの商品を送り出しています。
「イ・スンヨンさんは元々、有数の企業とコスメやファッション、空間など、色々なシーンに合ったカラーのコンサルティングをしていましたが、他企業のコンサルティングに留まらず、自らアイテムを作ることを決心しました。そこに、ファッションを専攻したチョさんも合流し、ちょうど会社を立ち上げた2019年12月から間もなく、コロナ時代が到来。ファッショナブルな二人が、ステキなファッションでも医療用の白いマスクで全体のルックスが硬直・一律化することを残念に思い、カラーマスクを作ることに。抗菌&通気、そしてUV遮断に優れた*1機能性生地を使い、誰にでもステキに似合いながらも小顔に見える効果もある素敵なマスクが完成しました。韓国ではアイドル達が顔を隠すためにブラックのマスクをしたこともあり、カラーマスクにはあまり違和感はありませんでした。衛生のためにマスクが必需になった時代では、機能性・着用感・ファッション性を兼ねたマスクの中では断然、アルダウが人気だと思います。大手企業が作ったファッションマスクも多数ありますが、おしゃれを牽引する人たちの間では、アルダウがやはり認められています。シグネチャーでもある中央のラインは、アルダウだけのデザインとして、韓国で登録もされているユニークな部分です。実際、名前を聞くとびっくりするアイドルグループや有名俳優さんたちも愛用していると聞いています」
* 1 一般財団法人ボーケン品質評価機構にて検査実施。抗菌はマスクの全体性能を 示すものではありません。抗菌防臭効果は洗濯の回数を重ねることにより減少していきます。
チューリップ人気はモダンにあり。気軽にできる保湿も嬉しい<モムチ>
【Brand Profile】
美大出身で、キャンドルなどの商品開発を経験していたキム・ヨンウクとチョ・ヨングクが、高品質な香りアイテムを手に取りやすい価格で届けたいという想いで2016年に創立。
ブランド名の「モムチ」は韓国語で「香りにハッとして振り返る瞬間」を表した形容詞。ブランドのテーマは、色と香りの掛け合わせ。表現したい香りと、その香りから連想される情景のイメージを色で表現。
日本では珍しいチューリップの香りが、韓国らしさもありアイコン的存在になっています。
「ここ2年ほど、韓国のインテリアシーンではチューリップが人気です。インテリア雑誌やショールーム、ドラマのシーンにはチューリップ(特にイエロー)が飾ってあるところが多かったです。チューリップは、そのシェープがシンプルかつモダンなので洗練された感じがして、どんな空間にもなじみながらモダンで個性的なニュアンスを漂わせてくれるのでブームになったと思います。現在~今後は、特定のお花よりも、定型化していない、ナチュラルなガーデニングコンセプトが流行りつつあります。
ボディミストは香水とは違って、『ボディに使う』という観念で生まれたアイテムなので、やはり保湿成分が入っていると嬉しいという人は多いですね。もちろんボディローションやボディオイルも使っている方は多いですが、ボディミストで軽くとも保湿効果を与えられるような成分*2が入っているのは、使いたい要因になっていると思います」
2021年下半期、韓国のビューティ事情はどうなる?
「まだまだ気を付けなければならないコロナタイムが下半期までも続きそうなので、STAY HOMEしながら自分だけの空間の要素となる香りを追求する傾向はより強くなる展望です。
ベッドシーツにつける熟眠のためのスプレーなど、シーンと用途に合わせた香りアイテムの細分化も続くと思います。また、より積極的に香りを楽しむ人もどんどん増えると思います。
ワクチン接種も広がりながら、医療用マスクというよりは飛沫遮断をしてくれる最小限の防御手段として、ファッションマスクのニーズはこれからも続くと思われます。
ビューティトレンドとしては、去年に続き、マスク生活にも肌荒れになりにくいように、肌本来の免疫をUPしてくれる乳酸菌発酵成分配合や鎮静系の成分(シカ=ツボ草エキス、ドクダミ、ヨモギ)が入った鎮静系コスメの人気はまだまだ続きそうです。リップカラーよりもリップバーム、ファンデーションよりはUV付のベースメイクでより薄いベースメイク、そしてマスク生活で目の表情が目立つため、アイクリーム、アイパッチなどのカテゴリーの人気が高まるでしょう。
韓国と日本、共通点とそうでない部分
気軽に行けるお隣の国・韓国ですが、改めて香りやビューティ事情について伺うと、日本と近い部分・そうでない部分がはっきりと浮き彫りになりました。
小学校中学年から香りを使うのが当たり前という文化は、日本よりも意識が高く進んでいるのかもしれません。対して、人気の香りとして石鹸が挙がったのは、韓国でも展開しているフィッツコーポレーションのオリジナルブランド・レールデュサボンの人気からもうかがえます。
お洋服のケアへの意識と連動して、ファブリックミストへの需要が高いのは、韓国のお料理事情を考えると納得。韓国では数年前から定番だったカラーマスクですが、アルダウの登場により、日本でもおしゃれ業界の方からご支持を頂いています。 展開中の3ブランドをはじめ、これからもますます盛り上がりそうな韓国トレンドに、目が離せません。