常に話題作に主演し続けているヒョンビン。彼がパク・シネと共演した『アルハンブラ宮殿の思い出』が評判になっている。このドラマを見ると、ヒョンビンという俳優の人生が垣間見られる気がして、不思議な高揚感がある。
まっすぐ生きている人
どのような基準を持ってどんな作品を選ぶかは俳優の個性だ。ヒョンビンが出演したすべての作品は視聴率的に成功作もあれば、そうでないものもあるが、彼が特別な存在感を放っていたのは事実だ。
それは、ヒョンビンの出演作を選択する視点が間違っていないことを証明している。
ヒョンビンの周囲の人々は彼を「まっすぐ生きている人」と評価する。
それは、人間ヒョンビンとしても、俳優ヒョンビンとしても同様だ。
彼が俳優としてどれほど生き方に集中しているかを物語る逸話がある。俳優という仕事は、大衆の人気に大きく左右されるだけに、得るものも多いが諦めなければならないものも多い、という話だ。
ヒョンビンがこう語る。
「同じ年頃の人たちと一緒に楽しめないことが多いのが残念です。あるとき、若者が多く集まる繁華街で撮影したことがあります。帽子やアクセサリーを売っている屋台などを見ながら、急にブラブラと歩きたくなりました。悩んだ後、車から降りて歩いてみましたが、誰も私を気にしていないのに、まるで裸で歩いているような気がしました。道を歩くにも勇気が必要だということを知りました」
ヒョンビンには、街中で自由に行動ができない、という人気スターの宿命がある。そのことで寂しい思いをすることはあるだろうが、彼はその「不自由さ」の中で自分なりの生き方を模索してきた。
そんなヒョンビンは、自ら志願して2011年3月に海兵隊に入隊した。
このことは、ファンを大いに驚かせた。なぜなら、海兵隊は軍隊の中で一番訓練が厳しいことで有名だからだ。
いくら兵役だったとはいえ、ヒョンビンが自ら過酷な環境に進んだことは意外だった。しかし、ヒョンビンにしてみれば、意外でもなんでもなかった。
「自分の内面を探せる時間は貴重だと思います」
ヒョンビンは海兵隊に入ってこう語っている。
新しい自分を見つけるために、彼はあえて厳しい状況に自分を放り出そうとしたのだ。勇気がある俳優なのだ。
除隊して芸能界に復帰したヒョンビンは、2014年に『王の涙-イ・サンの決断-』に主演した。
この映画でヒョンビンは逞しい国王像を作り上げた。何よりも、弓を引くときの背中の筋骨隆々ぶりがまぶしかった。
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