朝鮮王朝の歴史を変えた会議
韓明澮は科挙の試験に受からず出世できないでいたが、野心と知略には長けていた。韓明澮は出世のためには、首陽大君に取り入ることが最善と考えたのだ。
そこで彼は、「金宗瑞たちが王を補佐して横暴をふるっている」と声高に非難し、間違いを正すためにも首陽大君が王位に就かなければならないと力説した。この言葉に感銘を受けた首陽大君は、韓明澮を自らの側近として迎え入れた。
首陽大君は韓明澮の助言を受けて勢力拡大に動き始めた。このとき、韓明澮は排除すべき人物を記した「生殺簿」の作成を進めた。
そんな情勢の中、安平大君がクーデターを起こすという噂が流れた。噂を耳にした首陽大君は、支持者を自身の邸宅に集め、秘密会議を開いた。
話し合いの最中に逃げ出す者や、時期尚早と止める者も多かった。しかし、韓明澮は今こそ金宗瑞を討つべきだと強硬に主張した。
悩んだ末に、首陽大君はその意見を受け入れ、その日の内に金宗瑞の屋敷を強襲することを決めた。
このことが象徴しているように、秘密会議は朝鮮王朝の歴史に大きく影響した。結果的に、首陽大君は端宗を退位させて自分が7代王の世祖(セジョ)として即位することになるのだが……。
人気を集めたドラマ『王女の男』でも、この秘密会議が重要な鍵となっていた。劇中では、父の企みに気付いてしまったセリョンが、愛するスンユにこの事実を伝えようとするが、見つかって監禁されてしまう。実の父が愛する人の父を殺すという悲劇は、ドラマを波瀾万丈の世界に誘導していた。
コラム提供:チャレソ