人気を博した『愛の不時着』では、ヒョンビンが演じているリ・ジョンヒョクが、ソン・イェジンが扮するユン・セリを温かく見守り続けていく。なにしろ、リ・ジョンヒョクは、正義感が強いだけではなく、人に対しても本当に優しい男性だった。
脚本が面白かった
『愛の不時着』という物語の骨子を見てみよう。
最初に、ソン・イェジンが演じる財閥令嬢のユン・セリが、パラグライダーで飛んでいるとき竜巻に巻き込まれてしまう。その末に、北朝鮮に迷い込んでしまうという状況に陥った。そして、ヒョンビンが演じる北朝鮮の将校リ・ジョンヒョクに出会っていく。
ドラマは、2人の「許されざる愛」が発展していく流れになっていくのだが、取り巻く周囲の人間模様が複雑だった。
まず、ユン・セリの両親と兄2人がからむ財閥一家の後継者争いが非常に揉めていた。さらに、主人公2人のメインストーリーと対比させるように、北朝鮮に逃げた詐欺師ク・スンジュン(キム・ジョンヒョン)が現地で知り合った音楽家のソ・ダン(ソ・ジヘ)と劇的に知り合っていく。この2人の話もサイドストーリーとして次々に描かれる。
さらには、リ・ジョンヒョクの部下たちとユン・セリの交流もあり、加えて、チョ・チョルガン(オ・マンソク)という極悪な存在もずっと不気味だった。
こうして『愛の不時着』では多彩なエピソードによって様々な人間関係が展開されていくのだが、そんなドラマで主役として大黒柱になったヒョンビンは、いつも脚本の力に大きく動かされていたという。
彼はこう語っている。
「パク・ジウンさんの脚本がとても面白かったですね。セリフもいいし設定もすばらしい。何よりも、取り上げられたエピソードが愉快でした」
このように、脚本がいいので演じていて本当にやりがいを感じたという。さらに、予測できないような展開が俳優魂を大いに刺激してくれたという。
「先が読めないようなストーリーに惹かれました。どの場面にしても、登場人物の設定に応じて面白い物語になっていくのが魅力的でした」
こうしてヒョンビンは、俳優人生を変えるような作品にめぐりあったのだ。
文=康 熙奉(カン ヒボン)
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コラム提供:ロコレ
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