張緑水に起こった悲劇
王である燕山君の心を独占した張緑水の行為は、どんどん激化していく。それを示すこんな逸話がある。
燕山君が多くの妓生を呼んで酒宴を開いたが、1人の妓生が張緑水のチマ(スカート)を踏んでしまうという事件が起きた。それを知った燕山君は、その妓生の首を容赦なくはねたのである。
燕山君は、張緑水の頼みを断ることなく、すべてを受け入れた。たとえ、どんなに怒っていたとしても、張緑水の顔を見れば笑顔を見せるほど、燕山君は彼女に心を奪われていた。
王の心をつかんだ張緑水は、幸せな日々を送っていたと思う。しかし、それも長続きしなかった。
1506年、燕山君が異母弟の起こしたクーデター「中宗反正(チュンジョンパンジョン)」により、廃位となってしまう。そのため、張緑水も王をたぶらかした罪で斬首に処され、その遺体は人々にさらされた。
多くの人々は、今まで苦しめられた恨みから、張緑水の遺体に向かって石を投げ続けた。
文=康 大地(コウ ダイチ)
朝鮮王朝三大悪女(張緑水、鄭蘭貞、張禧嬪)の哀れな最期とは?
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