【時代劇が面白い】朝鮮王朝とはどんな国家だったのか/康熙奉の王朝快談17

朝鮮王朝は王を頂点とする中央集権国家だった。王は、政治・経済・軍事・社会のすべてにおいて絶対的な権限を持つ統治者だった。しかし、1人では何もできない。やはり、科挙に合格して出世を果たした優秀な官僚の支えが必要だった。

崇儒抑仏とは何か

朝鮮王朝は「王が君臨して官僚が実務を仕切っていた国家」であり、地方の豪族を完全に抑え込んだことが長い王朝の存続につながった。この間の内乱の少なさは特筆ものだった。
他の大きな特徴は、厳しい身分制度と男尊女卑である。朝鮮王朝では「人は生まれながらにして不平等」だったのである。
最下層の身分や庶子出身者は、どんなに能力が高くても世の中で認められなかった。また、王宮の女官を除けば女性は官職に就くことがほとんど不可能だった。つまり、世に生まれてくる人の半分は、最初からエリートになれないのだ。
そのせいで、どれほど有能な人が日の目を見ないうちに人生を終えたことか。なんとも理不尽としか言いようがない。
さらなる特徴は「崇儒抑仏」である。朝鮮王朝では統治理念として儒教を崇め、その反動で仏教を迫害した。

今でも韓国の街中に仏教寺院がほとんどないのは、「抑仏」によって寺が山中に追われた名残である。
代わって朝鮮王朝唯一の国教となった儒教。詳しく言うと、儒教の中でも特に朱子学が信奉された。官僚たちは、観念的すぎる朱子学を学ぶあまり、その解釈をめぐって論争を繰り返し、それが党争の激化につながってしまった。
その一方で、儒教的な価値観は庶民の生活の隅々に浸透し、「親孝行」「長幼の序」が重んじられるようになった。この価値観は現在の韓国にも濃厚に残っている。518年も続いただけに、朝鮮王朝時代の生活規範が今の韓国に影響を与えているのも当然のことなのだ。

文=康 熙奉(カン ヒボン)

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2020.11.01

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