ジノン、レヒョン、イェジュン、テゴン、カン
12月17日(水)、日本で7枚目のシングル「もう1度だけ~Remind~」をリリースした韓国の5人組男性アイドルグループF.CUZ(フォーカズ)が、東京・タワーレコード渋谷店 B1F「CUTUP STUDIO」にて、発売記念イベント「F.CUZ & 作家・岩井志麻子氏トーク・イベント、握手&サイン会」を開催した。
F.CUZはリーダー・ジノン、レヒョン、イェジュン、テゴン、カンの5人組ボーイズグループ。
異なる個性がひとつの目標に向かっていくという“Focus”がグループ名の起源で、平均身長180cmを超えるモデル並みの長身と洗練された容姿を持ちながらも、その親しみやすい癒しキャラで、フンナムドル(包容力のある癒し系の男という新造語=フンナム+アイドル)と呼ばれ、キャラクター、ビジュアル、ボーカルと、メンバーそれぞれが豊かな個性をもっている。12月17日発売となった彼らの7枚目のシングル「もう一度だけ~Remind~」は、大切な人への想いを込めた、F.CUZ初となる壮大なラヴ・バラード。当たり前のようにそばにいてくれた人との別れ、そして“大切だった”日々を想うとき、誰もが「もう一度だけ」と願うあの日。家族や恋人、友達、大切な人への想いに“素直になれる”、そんなたくさんの想いが込められた曲となっている。
この日、凍えるような寒さの中をイベントに訪れたファンは、今か今かと5人の登場を待っていた。MCのヒョンギが高まるファンの緊張を和らげるかのように、軽快なトークで場を温め、スペシャルゲストに韓国好きの作家・岩井志麻子氏も登場すると、楽屋で会ったF.CUZについて「ホンマにみんな男前揃いで、目がチカチカするよ」と大興奮の様子だったが、「さすがに息子くらいの年齢だから、どっちかっていうとあなたの方が」とヒョンギへのアプローチで客席を湧かせた。
岩井志麻子
そしていよいよ、お待ちかねのF.CUZがステージへ!スタイリッシュなブラックスーツで、さすがモデルドルと言われるだけのすらりとした容姿にファンも岩井志麻子氏も改めてうっとり。「皆さん、こんばんは!F.CUZです!」と日本語であいさつし、それぞれ自己紹介の後に、リーダーのジノンが「今日は僕たちの7枚目のシングル『もう1度だけ~Remind~』の発売記念イベントに来てくれて、ありがとうございます!」と感謝の言葉からイベントがスタート。ファンとの距離の近さに、ジノンは「こういう感じの(トーク)イベントが初めてだから、めっちゃ、うれしいです」と喜びを表した。
作詞・作曲・アレンジなども行うアーティスト志向のF.CUZは、「もう一度だけ〜Remind〜」の制作秘話もたっぷり語った。「胸がきゅんとなる切ないバラード曲です。誰にでもある、そんな経験を歌った歌です」とレヒョンが曲を説明すると、MCから「もしかしたら自分の経験が入ってる?」と問われると、「僕たちの経験やいろんな感情が入っています」とジノン。
岩井志麻子氏は「経験しないことだって書けるし歌えるけど、でも彼らはまだ若いから、これはほんとに一つ言いたいけど、おばさんを大事にするって大切なのよ」とアドバイス。「アガシ ボダド アジュンマ(お嬢さんよりもおばさん)」と韓国語も飛び出して、日本での成功の秘訣について熱く語る岩井志麻子氏にメンバーも客席も大爆笑。
レコーディング時には、「発音やメロディが難しかった。けっこう練習して録音しました」とカンが苦労した点を打ち明けた。レヒョンも「僕のパートでは“つ”がいっぱいだから。“いつかいっぱい”とか難しくて」と振り返り、「“つ”“つ”いっぱいしました(笑)」と語る様子に、ファンからは「可愛い〜」と思わず声があがった。
イェジュンは「僕は、発音は、大丈夫です」と男らしく言い切る。「でもバラードですから、歌詞が美しくて悲しいから感情が重要で、感情のために昔の恋人の写真を…」と続けると、ファンから「え〜!」と声があがる。「高校生の時ですけど」と慌てるイェジュンに、「女性とつきあう時のイェジュンはサンナムジャ(男らしい男)だ」とジノンが打ち明けた。
テゴンは「『もう一度だけ〜Remind〜』は音が高いから難しかった。女の人みたいにキーが高くて」と言うと、アカペラで歌ってみせ、その美しい歌声を特別にファンにプレゼント。岩井志麻子氏も「おばさん、熱いわ(笑)」とその歌声に酔いしれた。
初回限定版のボーナストラックに収録されている「again…」はカンの自作曲。別れた彼女に戻ってほしいという悲しい歌を、強い感情で歌ったものだという。昔の思い出を活かしながら曲づくりをするというカンに、ジノンも「カン君はいつも携帯の中にメロディを録音したりして、いつも24時間、作詞作曲してますよ」とメンバーならではエピソードを明かした。
カンと一緒に曲作りをするというイェジュンも「社長にメールでいつも10曲くらいは送りますけど、選ばれるのは1曲とか2曲くらいです」と難しさを語り、ジノンも「1曲で7回くらい録音をして、パートを決めてから本録音します。最初は一人ずつ全部を歌って、何がこのパートに似合うのかを話して、選んで、そしてもう一度録音して聴いて、また録音します」と、常に妥協せず高いところを目指している彼らの、音楽に対する熱い気持ちを覗かせた。
「正直、本当はこのパートが歌いたかった、とかあるでしょ?」とMCがちょっと意地悪な質問をすると、メンバーも笑いながら顔を見合わせる。「僕はないです。大丈夫ですね(笑)」とイェジュン。するとレヒョンが「『FROZEN』の中で、ブリッジを歌いたいと思っていたんですけど、録音してから社長とかメンバーから、ここ(ブリッジ)はレヒョンくんが一番似合うからと言ってくれて」と正直に話し、小さく拳を握ってガッツポーズをしながら、「その時は本当にうれしかったです」と素直な笑顔を見せた。常に話し合いながら、互いに納得して曲を完成させていくというF.CUZの曲作りのエピソードにファンも熱心に耳を傾けていた。
もっとF.CUZを知るために「F.CUZの『実は…』のコーナー」へ。質問に該当するメンバーが誰なのかを、メンバーが選び、その理由も答えるというもの。第一問は「F.CUZの中で一番自分の世界を持っている人」。これには、なんと全員一致でカンが選ばれ、カンも自分自身を指差すと、ファンからは笑い声がもれた。イェジュンは「カン君は、例えば4人はこのスピーカーを見たら、『これはスピーカーだ』と答えます。でもカン君は『これは箱だ』と答えます」、テゴンも「頭が超いいから、なんか違うんですよ(笑)。他のメンバーが○なら、カン君は×」と次々とメンバーからその理由と爆笑エピソードが出てくる。
レヒョンも「このステージの前に、4人は準備できていてファイティンしましょうと集まっても、カン君はいない」。これに対してカンが「僕はいつもトイレで(笑)」と言うと、レヒョンが「鏡が友だち」とツッコミを入れ、メンバー同士のわちゃわちゃした仲の良さが見られた。自分の世界があるからこそ作詞作曲に活かされるというMCに、カン自身は「僕は考え方も4人と同じだと思っているんだけど、でも表現の仕方がちょっと違うのかな(笑)」と首をかしげた。
ここでせっかくなのでファンの方からも。福岡から来たというファンから「絶対にこれだけは譲れないというものは?」という質問がされると、ジノンは「僕は、“リーダー”ですね。正直歌もダンスもメンバーより何が上手かわからないけど、“リーダー”だけは僕の担当」と答え、会場からは賛同の拍手が沸き起こった。
「僕は演技ですね」と言うレヒョン。ジノンが「演技はレヒョン君が一番だ」と褒めると、「まだまだですけど、もっともっと努力します」と、謙虚で控えめなレヒョンをファンも温かい笑顔で見守った。イェジュンは「僕はメンバーのことを思う愛です」と愛嬌たっぷり。テゴンは「僕は曲の中でのアドリブ」。やってみせてと言われると照れながらも「あ〜あ〜♩」と披露。最後にカンは「僕は、ご飯です」とやっぱりちょっと変わった回答で会場を笑わせる。「お弁当、超いっぱい食べたら一人で7人分食べられます。だからダイエットしんどいです」と淡々と話す。イェジュンも「カン君はラーメン5杯、時間も10分しない間に食べてました。食べてるときは恐い。ラーメンに集中してて目の黒い部分が赤い(笑)」と暴露。
最後は岩井志麻子氏からファンを代表して「タイプの女性は?」というストレートな質問。ジノンは「僕は髪が長くて、脚がキレイな人が好きです。ファンの皆さんの中にもいますよ。誰かな〜(笑)」とうれしい一言。レヒョンは「顔はきれいな人も可愛い人も好きですけど、心が温かくて優しい女性がいいです」、イェジュンは「僕は子どもの時からずっと好きなアーティストはBoA先輩。顔もパフォーマンスも性格もリーダシップやカリスマもすべて」と憧れを語った。テゴンは「目がキレイで運動が上手な人。サッカーとテニスできる人。僕がサッカーとテニスやるから(笑)一緒に趣味をやりたい」と語り、カンは「声がキレイで歌が上手な人」とそれぞれに思い描く理想のタイプを率直に答えた。
そして最後にジノンが「岩井さんは、僕たちのスタイルです」と、リーダーらしく上手くまとめると、岩井志麻子氏も「こういうオチが来るだろうなと思っていたけど(笑)」と言いながらも、まんざらでもなさそうに喜んだ。ステージから先にはける岩井志麻子氏に、立ち上がってお辞儀をするF.CUZのメンバー。メンバーの中で誰が岩井さんのタイプか聞き忘れたというジノンに、岩井志麻子氏がマイクで声だけ参加し、「一番のタイプ? ヒョンギさんよ〜」とコントのオチのような回答でファンを爆笑させた。
最後にメンバーから一言ずつ。
ジノン「今日はトークイベントが本当に初めてだったから、この時間がめちゃ幸せでした。楽しかったです。僕もMCになりたいから、ヒョンギ先輩を見てたくさん勉強になりました」
レヒョン「今日は本当にうれしかったです。これからもっともっとこういう時間も大事にしたい。たくさんやりたいです」
イェジュン「こういう雰囲気でリリースイベントにトークショーが出来て、本当に楽しかったです。質問もメンバーの考えもおもしろくて、もっと話したいです。時間がなくて残念ですけど、次もトークショーやりたいです。ヒョンギさんと」
テゴン「時間が短いから残念ですけど、皆さんと一緒のトークショーは面白かったです。次もやりたいです」
カン「僕たち、あまりこんなリリースイベントはなかったから、今日は本当にうれしいです。時間もあっという間で残念でした。もっとやりたいけど、次もこんなトークショーがあればいいなと思います」
日本語で丁寧にファンに思いを伝えようとするF.CUZ。最後にジノンが「秘密の時間でしたよね。ここから出たらすぐ忘れてくださいね、好みのタイプの話とか(笑)」と冗談ぽく話すと、最後はファンの大きな拍手で見送られ、深く一礼してから「楽しかった〜」と言いながら、手を振ってステージを後にするメンバー。終演後は、握手やサイン会が行われ、F.CUZと共に発売を喜ぶファンの笑顔が溢れた。
約1時間に渡り、終始和やかなムードの中で行われたトークイベント。その間中、常に日本語で、ファンとコミュニケーションを取ろうとしている姿が印象的だった。フンナムドルと言われるだけあって、見る人の心を温かく癒す5人。音楽に対する情熱は、すでにアイドルというよりはアーティストでもあり、今後の活躍がますます楽しみだ。
取材:Korepo(KOREAREPORT INC)
●F.CUZ公式サイト http://f-cuz.jp/