韓国人気グループのBTS(防弾少年団)が、新型コロナウイルスの感染拡大で低迷する流通業界に活気をもたらしている。ファッションやマッサージチェアなど、BTSを広告に起用した製品が連日ヒットを飛ばしているためだ。とりわけ、BTSの世界的な人気は海外進出を狙う企業にとって好材料となっている。
関連業界によると、ファッション企業ハンソムのカジュアルブランド「SYSTEM」(レディース)と「SYSTEM HOMME」(メンズ)は先ごろBTSとコラボしたコレクションの発売を発表し、殺到する問い合わせの対応に追われている。
コラボコレクションはBTSのヒット曲「血、汗、涙」をモチーフとし、Tシャツやシャツ、ワンピースなど20点の衣類と帽子、靴下など5点の小物をそろえた。27日に正式発売される。
「SYSTEM」のツイッターに投稿された予告映像は、コレクションの発表からわずか2日で再生回数が37万3000件に達した。ハンソムの関係者によると、海外からも多くの問い合わせが寄せられているという。
ハンソムはファンのため、14日からBTSなどの公式グッズを扱うオンラインストア「Weverse Shop」で予約販売を開始した。
昨年10月、BTSとグローバル広告契約を結んだフィラ(FILA)も大きな効果を得ている。
フィラはBTSが日頃からツイッターでファンとコミュニケーションをとっていることに目を付け、同12月にフィラの公式ツイッターアカウントを開設。現在、30万人に迫るフォロワーを獲得している。
今年初めには、BTSメンバーがフィラの服を着て登場した広告が米ニューヨーク・マンハッタンのタイムズスクエアで放映され、フィラの海外でのイメージアップにつながったと業界はみている。
BTSの人気は売り上げ増につながっている。マッサージチェアブランドのボディーフレンドは、BTS出演の広告を流し始めた先月15日から今月12日にかけての売上高が前年同期比38%増加した。メンバーの個性をうまく生かした広告で、ファンの間でも好評だという。
業界の関係者は「BTSのデビューからの10年間で総額56兆ウォン(約4兆9000億円)の経済的効果が誘発されるとの調査結果もある。BTSが流通業界に活気を吹き込んでいる」と話している。