●それは『宮~Love in Palace』から始まった──
月のような役者—-。
それが、チュ・ジフンを初めて見た印象だった。時は、2007年3月。
「宮~Love in Palace」(2006)を引っさげ、東京で初のファンミーティングを開催した時のこと。初主演のドラマで大ブレーク。当時、まるで太陽のように明るい「微笑」がトレードマークの韓国のスターが人気を博すなか、気高さと孤独な憂いを秘めた皇太子そのままの素の彼は、異色の存在だった。
2作目の「魔王」(2007)では、青年期に家族を奪われ、孤独と憎しみの中で他人になりかわり、ち密な復讐を企てる弁護士役に。天使のような穏やかな微笑で安心感を与えながら、その裏では凍るような表情でじりじりと敵を追い詰めていく難役だ。「角度や光の当て方で、善人にも悪人にも見えるヤヌスのような顔に魅了された」(パク・チャンホ監督)というのが抜擢された理由だった。
デビュー当時、雑誌でチュ・ジフンの撮影を担当した韓国人カメラマンが「撮る人の心を察し、明るい表情からアンニュイな顔まで瞬時に変え、おかげで撮影が早く終わった」と語っていたのを思い出す。
そう、チュ・ジフンは月のように光りながらも、漆黒の影を持ち合わせる。月が影のさす面積によって形を変えるように、彼も作品によって、場面によって変化する。満月のように、三日月のように、そして時には闇に隠れた月のように。
月が雲や影によって絶妙なバランスを見せるがごとく、近年のチュ・ジフンの演技は、さらなる高みに達している。たとえば、大ヒット映画「神と共に」シリーズ2作品(2017、2018)では、冥界の使者役をひょうひょうと。「工作 黒金星と呼ばれた男」(2018)では猟犬のように野心をむき出しにする北朝鮮国家安全保衛部・課長役。「暗数殺人」(2018)では、7人殺したと証言する囚人を粗暴に演じた。ほぼ同時期に公開となった4本は、累計約3550万人の観客を動員。「暗数殺人」では、「韓国映画制作家協会賞」「春史映画祭」でそれぞれ主演男優賞を受賞した。(3ページに続く)
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