【韓国映画特集】青嶋昌子の韓国映画三昧1『私の頭の中の消しゴム』

・2004 CJ Entertainment inc.&Sidus Pictures Corporation. All rights reserved Based on the television program “Pure Soul”created and produced by Yomiuri television.Japan 2001

カンヌ国際映画祭の最高賞とアカデミー賞の主要4冠を獲得した『パラサイト 半地下の家族』。この映画が歴史的な快挙を達成したことで、韓国映画に注目が集まっています。そこで、韓国映画に詳しい青嶋昌子さんが過去の名作を連載で解説します。第1回は『私の頭の中の消しゴム』です。

愛する人から忘れ去られる切なさ
恋愛とは記憶の積み重ねなのかもしれない。相手のふとした仕草やなにげない言葉がいつのまにか自分を満たし、その記憶があふれ出たときに愛が芽生えるのではないだろうか。それでは、深く強く愛し合っているのに、その相手から忘れ去られてしまうとしたら?
それはどれほどの恐怖だろうか。死以上の苦しみかもしれない。
2001年に日本で放送されたテレビドラマ「Pure Soul~君が僕を忘れても~」をイ・ジェハン監督が2004年にリメイクしたのが「私の頭の中の消しゴム」だ。タイトルはドラマのセリフの一部から採用された。
スジンとチョルスは深く愛し合いながらも、スジンの若年性アルツハイマーによって、美しい思い出のすべてと決別させられる運命だった。
少しずつ進行する病魔を食い止めようと、部屋中に張り巡らされたメモ。それでも彼女の記憶は少しずつ失われていく。


とにかく、スジンは愛するチョルスの記憶だけは守りたいと祈るのだが、「その瞬間」はもう間近に迫っていた。
そして、スジンに忘れられてしまう恐怖と戦い続けるチョルス……。
幸せな2人の暮らしが細かく描かれる前半と、発病後の痛みを描いた後半のコントラストがあまりにも鮮明だ。
観客ですら、その現実を簡単には受け入れることができないだろう。
◆号泣ポイント
「僕が憶えておく」。どうせ忘れてしまうと呟くスジンに、チョルスは自分が2人の思い出を大事に憶えておくと断言した。
最後の記憶があなたでありますように、とスジンは祈る。
◆キャスト
チョルス(チョン・ウソン)
スジン(ソン・イェジン)

文=青嶋昌子(あおしままさこ)
提供:韓流テスギ
http://tesugi.com/

 

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