イ・サンは大改革を予告した翌月に反対派に毒殺されたのか?

 

政治を私物化!
正祖の後継者の23代王・純祖(スンジョ)がまだ10歳だったために、貞純王后が王族の最年長という立場を利用して政治を代理で仕切った。
すると、貞純王后は正祖が重用した高官たちを次々に罷免(ひめん)して、自分の一派に重職を与えた。
そのうえで、正祖が進めた改革をつぶしてしまった。
さらに、貞純王后はキリスト教徒を弾圧し、信者たちを大虐殺した。彼女がそこまで残虐非道だったのは、対立する政治勢力にキリスト教徒が多かったからだ。

そうやって政治を私物化した貞純王后は、1804年に政治の表舞台から去り、1805年に亡くなった。
果たして、貞純王后は正祖を毒殺したのか。
正祖が健在であれば、貞純王后が操っていた老論派が没落するのは目に見えていた。そんな大改革に着手しようとした矢先に正祖は急死した。

あまりにタイミングが合いすぎている。
何よりも、貞純王后には強い動機があった。それは、正祖が世を去ったあとに貞純王后が受けた大きな恩恵が物語っていた。

文=康 熙奉(カン ヒボン)

コラム提供:チャレソ

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2019.11.26