『不滅の恋人』の王子2人は歴史的にどんな人物だったのか(再読版)

勝負の行方は?

首陽大君と安平大君の性格はまさに正反対だった。首陽大君は武芸を好む武闘派だ。反対に、安平大君は学問を好む芸術派だった。実際、安平大君は兄の首陽大君に批判的で、端宗の王位を守る決意を固めた。こうして王族内では、首陽大君派と安平大君派の二大勢力ができてしまった。しかし、高名な学者や大臣たちを取りこんでいた安平大君に世論は味方していく。巻き返しを狙った首陽大君は強気の逆襲に出た。1453年にクーデターを起こしたのだ。そのときに金宗瑞を殺害した。クーデターを成功させた首陽大君は、朝鮮王朝で最大の実力者になった。

一方の安平大君は首陽大君によって死罪にされてしまった。王位をめぐる骨肉の争いは結局、首陽大君が勝った。彼は端宗を強制的に退位させて、1455年に自ら7代王の世祖(セジョ)として即位した。

文=康 熙奉(カン ヒボン)

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2019.10.20