現在は第3次韓流ブームだと言われる。『冬のソナタ』の放送から始まった2003年頃からの人気が第1次、東方神起と少女時代とKARAが目立った2011年頃のK-POPのブームが第2次、そして、BTS(防弾少年団)を初めとする新世代のグループが人気を得ている現在が第3次というわけだ。
ファン層が固い
過去の韓流の動向を振り返ってみると……。
ドラマ『冬のソナタ』の大ヒットを契機に日本でも韓流ファンが増えていたのに、冷や水を浴びせたのが2012年8月の李明博(イ・ミョンバク)大統領(当時)だった。
彼は竹島(韓国名は独島〔トクト〕)に上陸して日本側を極端に刺激した。その結果、日本で嫌韓の雰囲気が起こり、それは韓流にとっても逆風となってしまった。
それが影響して紅白歌合戦でもK-POPの出番がなくなり、新大久保を訪れる人も減ってしまった。韓流にとっては冬の時代が続いたのだが、逆風を順風に変えたのが、BTSやTWICEなどの活躍だった。
さらに、新大久保ではチーズタッカルビや韓国風ホットドッグが大人気となり、再び大勢の人たちがコリアンタウンを埋めつくすようになった。さらには、原宿の竹下通りにまで韓流関連のショップができた。
そんなふうに、第3次韓流ブームは活況を呈したが、2019年になって日韓関係は政治的に悪化した。
確かに、高年齢層の間では韓国を嫌う人は増えたようだが、10代や20代の女性の間では「韓国が好き」という人は減っていない。これが心強い。政治に関係なく、若い人たちは情熱的なカルチャーとして韓流を楽しんでいる。
今や韓流は「ブーム」ではなく、日本の大衆文化の中で「ジャンル」として定着してきたと言える。
「ブーム」なら一過性なのだが、「ジャンル」となれば根強い人が支えていて、そう簡単に衰退することはない。そういう意味で「第3次」を支えているファン層は固い。
さらに、K-POPでは次々と新しいスターグループが誕生しているし、ドラマの分野でも企画力に優れた作品が放送されている。
今後もしばらくは韓流が日本を熱くするに違いない。
構成=「ロコレ」編集部
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