因果応報という悲劇
世祖が即位したあと、一部の高官たちが端宗の復位計画を練って、クーデターを起こそうとした。
世祖はその動きを察知して、クーデターを未然に防ぎ、首謀者となった高官たちをこぞって処刑してしまった。
さらに彼は、端宗が生きていると復位騒動が再び起こると考え、端宗を流罪にしたうえで死罪にした。
あまりにも非道な国王だった。政治的には朝鮮王朝の基本法典の作成を主導し、統治者としての業績があった。
しかし、人間的には最悪だった。
その報いを受ける時がやってくる。
なんと、長男と二男がともに19歳で早世してしまったのだ。これは父親としては痛恨の悲劇だった。
民衆は「非道な行ないをした因果応報だ」と口々に叫んだ。
以上のように、世祖は朝鮮王朝の歴史の中でも集中的に批判される国王だった。そんな世祖の若き日がイ・ガンという登場人物によって『不滅の恋人』で描かれている。
文=康 熙奉(カン ヒボン)