ドラマ『トッケビ~君がくれた愛しい日々~』に、どこまでリアリティがあるのだろうか。このドラマには、人間の生活をありのままに描いていく写実性はない。むしろ、ありえないことが連続するファンタジーなのだ。しかも、複雑な現代社会では、リアリティよりファンタジーのほうが、より人間の本質に迫れる場合が多い。
トッケビの花嫁
『トッケビ』の脚本を書いたキム・ウンスクは『シークレット・ガーデン』や『太陽の末裔』を書いた大物だ。
その力量はこのドラマでも存分に発揮された。
特筆すべきは、展開される世界が時空を超えて縦横無尽に広がっていくところ。特に、物語の設定がとても興味深い。
主役のキム・シン(コン・ユ)は、高麗時代の武将で現代まで900年も生き続けている男だ。彼は、王に裏切られて、胸に剣を刺されてしまった。しかし、死ぬことができず、そのまま苦しみながら現代までトッケビとしてさまよっている。
キム・シンが往生するためには、トッケビの花嫁を見つけて、胸に刺さった剣を抜いてもらわなければならない。
そして、彼はついに高校3年生のウンタク(キム・ゴウン)を見つけた。彼女は幽霊を見る力を持っていた。
彼女ならにきっと剣を抜いてくれる」
キム・シンはそう期待したのだが……。
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