パク・ボゴムとコン・ユがダブル主演することで話題になっている映画『徐福』。タイトルになっている徐福は、不老不死のクローン人間のことなのだが、この「徐福」という昔の人にまつわる伝説が済州島(チェォジュド)に残っている。
不老長寿の薬
まずは、故事から紹介しよう。
中国を史上初めて統一した秦の始皇帝は、欲しいものをすべて手に入れ、人々の羨望を一身に集めていた。
そんな彼にも、たった一つだけ自分の力ではどうにもできないことがあった。それは老いを防いで長寿を全うすること。始皇帝は死を極端に恐れた。
藁にもすがる思いで始皇帝は、不老長寿の薬を探した者に莫大な褒美を取らすというお触れを出した。
すると、徐福という者が始皇帝の前に現れてこう言った。
「東海上に神仙たちが住む場所があり、そこに不老長寿の薬があります。童男童女をそれぞれ500人ずつ引き連れて行けば、かならずや不老長寿の薬を探すことができるでしょう」
始皇帝は大いに喜び、徐福の申し出を了承した。
童男童女を500人ずつ連れて船出した徐福。彼が「神仙たちが住む場所」として向かったのは、なんと済州島であった。
一行は最初に済州島の東北部に上陸した。そこで迎えた朝があまりにすばらしかったので、徐福は海辺の岩に「朝天」と記した。それが朝天(チョチョン)という地名の起源になった。
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