ペ・ヨンジュンが俳優としてデビューしてから25年になった。2007年の『太王四神記』を最後に彼の主演作はない。ファンとしては寂しいが、改めて俳優ペ・ヨンジュンの25年間を振り返ってみよう。
時代が求めた新進スター
ペ・ヨンジュンがドラマ『愛の挨拶』で俳優デビューした1994年、日本で韓国ドラマに興味を持つ人はほとんどいなかった。
当時の日本は、トレンディ・ドラマの全盛期。都会的なシャレた生活を楽しむ若い男女の恋愛群像が茶の間で大いに受けていた。
ただ、新しい価値観を持った若者が都会にあふれるようになったのはソウルも同じだった。おシャレなスポットが多い江南(カンナム)地域には、享楽的に流行を楽しむ20代前半の若者たちが目立ったが、彼らは特に「X世代」と呼ばれた。
その頃、X世代は「既成世代の枠から抜け出し、自分なりの価値観を持った新しいタイプの新世代」と言われた。経済成長を背景に、韓国にも大衆文化を活性化させる新しい風が吹き始めていたのである。
ペ・ヨンジュンのように1972年前後に生まれた人たちは、その担い手だった。そういう意味でも、ペ・ヨンジュンは時代が求めた新進スターであったと言える。
確かに、経験の不足から演技の未熟さを指摘されることはあった。しかし、大いなる可能性を感じさせる素質がキラリと光っていた。それを見逃さなかった制作プロデューサーによってペ・ヨンジュンは抜擢され、『海風』『若者のひなた』『パパ』と次々に主役をまかされた。
しかも、1作ごとに若手俳優として新境地を切り開き、厳しい視聴者からも好感をもって迎えられた。
そんな上昇気流が頂点にまで達したのが『初恋』だった。
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ペ・ヨンジュンとチェ・ジウは2009年の記者会見で何を語ったか
ペ・ヨンジュンは2009年の記者会見で自著について何を語ったか