「コラム」コン・ユが主演した『トッケビ』は現代と過去が交差する珠玉の物語!/トッケビ再読9

 

一途な物語
コン・ユはこう語っている。
「キム・シンという人物が持つ歴史と生い立ちが、『トッケビ』というドラマにおいてとても重要なポイントになっていたと思います。キム・シンが心の奥底に抱えている寂しさ、哀しみ、真実性……それを持ったまま生きた彼の人生と歴史が視聴者を納得させる役割を果たしたのではないでしょうか」

「現代の場面において、トッケビとして生きているキム・シンが口走る時代劇トーンのセリフが、彼自身のキャラクターにおける一つの武器になっていたようです。そこがまた、私にとっても演技のポイントでしたね」
「時代劇のシーンは私の課題だったので、監督ともたくさん話し合い、いろいろ悩みました。現場では努力が無駄にならないように懸命に努めましたし、結果的に演技に満足しています」
900年以上も生きる人物を演じるというのは、ほとんど誰もやったことがない。大きな困難をともなうものだが、コン・ユは「本当にこういう人がいそうだ」と視聴者を納得させる演技を見せていた。

奇怪な設定でありながら『トッケビ』が最後まで一途に物語を真摯に貫くことができたのは、コン・ユに時空を越えた演技力があったからに違いない。

文=「ロコレ」編集部

コラム提供:ロコレ
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康 熙奉(カン ヒボン)
1954年東京生まれ。在日韓国人二世。韓国の歴史・文化と、韓流および日韓関係を描いた著作が多い。特に、朝鮮王朝の読み物シリーズはベストセラーとなった。主な著書は、『知れば知るほど面白い朝鮮王朝の歴史と人物』『朝鮮王朝の歴史はなぜこんなに面白いのか』『日本のコリアをゆく』『徳川幕府はなぜ朝鮮王朝と蜜月を築けたのか』『悪女たちの朝鮮王朝』『宿命の日韓二千年史』『韓流スターと兵役』など。最新刊は『いまの韓国時代劇を楽しむための朝鮮王朝の人物と歴史』。

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2019.03.31