「コラム」連載 康熙奉(カン・ヒボン)のオンジェナ韓流Vol.62「やみつきの餅餃子スープ」

追憶の中の「おふくろの味」

韓国に行ったときにマンドゥ(餃子)の汁物はよく食べていたのだが、トックが一緒に入っている混合バージョンには迂闊(うかつ)にも気づかなかった。
それを東京で味わうことができるのは嬉しい。
大満足で食べながらしみじみと思う……トックと言えば、私が小さいころに母が作ってくれたあの美味しさが懐かしい。

干しダラを煮込んだスープに卵をたっぷり入れたトックの味わいは格別で、お正月には最高のご馳走だった。
大人になってからはそれを食べる機会がグッと減ってしまったのだが、この店の「餅餃子スープ」のおかげで、遠い記憶の中の「母の手作り料理」を口の中で甦らせることができた。
今後は春になって、さらに暖かくなる。さて、注文はどうしたものか。
回数はちょっと減るかもしれないが、やはりこれからも「餅餃子スープ」を食べ続けていきたい。

文=康 熙奉(カン ヒボン)

2019.03.16