数多くの韓国ドラマを見ていて気になることがある。具体的にどのドラマとは言いにくいのだが、後半に入って雑な展開になる作品が多いのだ。そこには、どんな背景があるのだろうか。
切羽詰まった撮影状況の影響
韓国の有名なことわざが「始めれば半分」。
これは、ものごとをスタートさせれば半分が終わったも同然、という意味だ。
まさに、韓国ドラマはこのタイプ。制作陣は最初の勢いを大事にする。
海外ロケをしたり、大がかりなセットを作ったり……。
とにかく、韓国ドラマはスピーディーな展開が持ち味でエネルギッシュだ。
しかし、勢いが持続しない。
それは当然かも。1週間に2日連続で放送するドラマが多いので、後半は「生放送?」と揶揄(やゆ)されるほど、撮影と放送が同時期に重なる。
やはり、短期間に徹夜続きの撮影で限界が生じる。
その結果、後半に入ってからストーリーが迷走する。
人間関係の描き方が雑になったり、無理やりストーリーの帳尻を合わせてきたり……。明らかに、切羽詰まった撮影状況の影響が出てしまう。
さらに、クライマックスで突発的な終わり方をするものも多い。「最終回をじっくり練ってこれで行こう」というのではなくて、「時間切れだからこれでいくしかない」という感じなのだ。
(ページ2に続く)