「コラム」英祖(ヨンジョ)は偏屈な王だった/朝鮮王朝人物実録3

英祖について紹介している『いまの韓国時代劇を楽しむための朝鮮王朝の人物と歴史』(康熙奉〔カン・ヒボン〕著/実業之日本社発行)

 

王朝を守るために
父親の英祖は、思悼世子が本心から反省をして素行を改めることを願っていた。そのためにきつい叱責をしたことが何度もある。
それでも、思悼世子は同じことを繰り返しており、最後は英祖も耐え忍ぶことができなかった。
とにかく英祖は、「連綿と続いてきた朝鮮王朝の王位継承を、自分の代で決して終わらしてはならない」という強い使命感を持っていた。

そんな英祖はこう考えた。
「いまの思悼世子であれば、朝鮮王朝の王位を受け継がせるわけにはいかない」
そう考えれば考えるほど、英祖は思悼世子の息子であった正祖(チョンジョ)に特別に注目した。
幼いながらも考えがしっかりしており、学問にも励んでいた。

そこで英祖は、「思悼世子を飛び越えて正祖に自分の王位を継がせたい」と考えたに違いない。
それを窺わせる英祖の言葉が「朝鮮王朝実録」に何度か載っている。結局、英祖はやむを得ず思悼世子を米びつに閉じ込めてしまった。
(ページ3に続く)

朝鮮王朝おもしろ人物列伝(21代王・英祖編)

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2018.11.23