来る11月2日(金)、東京・IMAホールで韓国俳優ユ・ヨンソクが日本ファンミーティングを開催する。俳優ユ・ヨンソクは最近、イ・ビョンホン主演で話題となったtvNドラマ「ミスター・サンシャイン」で活躍した。このたび、日本ファンミを控え、ユ・ヨンソクからオフィシャルインタビューが届いた。
−まずは作品「ミスター・サンシャイン」を選んだ理由、初めて台本を読んだ時の印象についてお聞かせください。
最初に出演依頼をもらったときは、まだ台本ができていませんでした。キャラクター紹介をみると僕が演じるク・ドンメは、ただ一人の女性を想い続ける熱い心を持った人物ということでした。そんな姿が前作で僕が演じたキャラクターと似ていたので、上手く表現できるかもしれないと思いました。それに脚本家のキム・ウンスク先生やイ・ウンボク監督とご一緒させてもらうことも楽しみでしたし、期待していました。最初に台本を読んだときは、とても面白くてすぐに読んでしまいました。また、そんな台本を読みながら、ドンメというキャラクターをどのように魅力的に演じようかと、たくさん悩みました。
−そんなふうに悩んだ末、ク・ドンメの魅力をどのように演じようと思いましたか。
ドンメは自らの意思で祖国を捨てた人物です。白丁(ペクチョン:被差別民層)の息子として生まれ、心に傷を負ったまま朝鮮を離れたものの、祖国でただひとり、自分のことを人として見てくれていた女性のことが忘れられず、ただその理由だけで、祖国へと戻ることを決意します。冷血な容貌、まるで純愛譜のような熱い想い、そんな相反する2つの心を持つ人物です。世の中すべてが敵に回ってもかまわないと思っているドンメですが、ただひとりの女性(コ・エシン)だけとは敵になりたくない、そんな彼の姿が魅力的だと思います。
ドンメはいつ死んでもかまわないと思っている人物です。そんな彼の行動、まなざしをどのように表現すれば良いのか、とても悩みました。エシンに対する情熱的な一面は、僕がこれまでに演じてきた作品と似ていると思いました。また、ク・ドンメという人物の厳しい生きざまを表現するために、ビジュアル的にもかなり変化を与えようと思いました。
−ビジュアル的に変化を与えるようにしたとのことですが、着物や日本刀は初めてだったと思います。そんなク・ドンメの衣装、メイクはいかがでしたか。
ク・ドンメの髭は付け髭です。毎回、メイクのときに髭を付けていました。和服の衣装を身にまとうのは初めてだったので、とても新鮮な気持ちでした。実際に下駄を履いてアクションをしたり、長い日本刀を携えたりしての演技は、やはり簡単ではありませんでした。初めてク・ドンメの衣装を着た時は、慣れなくて違和感がありましたが、今は衣装を脱いだ時の方が不自然に感じるくらいにまで慣れました。
−そんな和風の衣装を着ての演技、何か参考にした作品はありますか。今回の役を演じるにあたり、どんな作品をご覧になりましたか。
You Tubeなどでサムライに関連する動画、作品などをたくさん探して見ていました。作品でいえば、映画『無限の住人』、『座頭市』などを観ました。日本の着物を着て、刀を持つサムライアクションなので、殺陣のシーンなどを中心に参考にしていました。
−劇中には日本語でのセリフも多く登場しますが、どのように勉強されましたか。
日本語は、撮影が始まる前から個別に勉強をしていました。ただ日本語のセリフをハングルで書いてそれを憶えても、なかなか覚えられないし、そのセリフを活かすことが難しいと思ったので、まずはひらがなでセリフを書き、その意味を書いて、覚えていこうと思いました。撮影の前に練習し、また録音された日本語を繰り返し聞きながら覚えました。撮影中も日本語の勉強は続けていました。現場でも発音などをチェックしてもらっていました。
−そんなに一生懸命努力された日本語の中で特に印象に残っているセリフは。
「行くぞ!」というセリフです。ドンメが一番多く使っていた日本語なので…。
−印象に残っている場面、撮影中のエピソードがあれば教えてください。
印象に残っている場面は、陽花(ヒナ/キム・ミンジョン)と一緒に海に行く場面です。そのシーン自体もとても素敵なのですが、撮影が佳境に入った頃、これまで苦楽を共にしてきたスタッフと海に行き、一緒に海を見られたことが何よりも印象に残っています。
−劇中、浪人仲間(部下)たちと日本語でしゃべっていますね。大勢の部下を引き連れての場面が多いようですが、役者の皆さんとは現場でどのような話をしているのですか。
とにかく一緒にいる場面が多かったですし、現場でも一緒に行動することが多かったので、共演者の皆さんとはとても仲良くなりました。特にいつも一緒にいたユン・ジュマンさん、キム・リウさんとは仲良くなりましたし、撮影の前にはいつも日本語のセリフを合わせながら、撮影の準備をしていました。
−ドンメがユジン(イ・ビョンホン)、ヒソン(ピョン・ヨハン)らと、馴染みの居酒屋で顔を合わせる場面は、一触即発ながらも、どこかコミカルで、とても印象的です。もしかして、アドリブなどもあったのですか? 3人の掛け合いが重要なポイントとなるシーンだと思いますが、やはり念入りに打ち合わせをしていたのでしょうか。
例えば馴染みの居酒屋のシーンの中に、ユジン(イ・ビョンホン)がドンメに酒のつまみを奢るシーンがあります。ドンメはここぞとばかりに刺身の大盛りを頼むのですが、すぐにユジンが「少量で十分だ」と、注文を覆すんです。そのほかにも、ヒソン(ピョン・ヨハン)が金を払わずに店を出てしまったので、ユジンとドンメ、どちらが払うのか互いの腹を探り合い、結局ドンメが先に席を立つという場面。そんな場面は予め台本にあったわけではありません。このようなアドリブは事前にお互いに話し合って決めていたのではなく、撮影をしながら、自然とアドリブ合戦をしながら作られていきました。そんな撮影はとても楽しかったですし、視聴者の皆さんにも楽しんでもらえたようなので、満足しています。
−馴染みの居酒屋でのシーンなど、時にはコミカルな場面もありますが、基本的にシリアスな場面が多い作品ですね。現場はどのような雰囲気だったのでしょうか。
馴染みの居酒屋の場面などでは、先ほども言ったようにアドリブが多かったので、とても面白い撮影でした。現場ではいつも笑いが絶えない状況でしたね。みんな仲が良かったので、お会いするといつも楽しい時間を過ごすことができました。ただ、ドンメという役は基本的に重厚感を維持しなければならないキャラクターでしたし、日本語や剣術など、1シーンのために準備することもたくさんあったので、そんな準備をしながら、常に緊張感を持って撮影に挑んでいました。
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