韓国では、旧暦の8月15日が秋夕(チュソク)になっている。これは韓国のお盆のことで、現在の暦では9月中旬か下旬になる。2018年の場合は9月24日が該当していて、韓国では連休になって民族大移動となる。
ポルチョとは何か
韓国は今でも正月とお盆を旧暦で行なう。
特にお盆は「秋夕」と呼ばれていて、墓参りがともなうので、どの家族でも故郷に帰って大忙しとなる。
それでは、どんな風に秋夕を過ごすのかを説明していこう。
韓国では先祖を祀るチェサ(祭祀)の儀式がとても多いのだが、あくまでも家で祭壇にご馳走を並べて行なうのが普通で、意外にも墓参りにはあまり行かない。
その代わり、秋夕は一族総出で墓参りに行く重要な日になっている。
お墓の多くはお椀を引っ繰り返したような「まんじゅう型」なのだが、夏には雑草が丈長く生えるので、秋夕の前に草刈りをする必要がある。
それをポルチョ(伐草)と言う。おそらく、韓国のどの地方でも、秋夕の前には大々的なポルチョが行なわれていたことだろう。
秋夕の日は墓参りに行く重要なお盆ということで、その前から民族大移動となる。ソウルからは帰郷ラッシュとなり、高速道路は大渋滞して列車は超満員だ。いつもながらの風景だ。
秋夕の当日は、朝に一族が集まってチェサが行なわれる。
前日に一族の女性たちが作っておいたご馳走を祭壇に並べ、秋夕に合わせて地上に戻ってきた先祖たちに、たっぷり食べてもらうのである。
実際に先祖がしっかり食べると想定して、子孫が箸を何度も動かしてご馳走を取る動作を繰り返す。
また、お酒の杯を何度も捧げる。
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