ソ・イングクが日本のファンのために1年ぶりとなるファンミーティング『SEO IN GUK Fan Meeting 2014"IMPACT"』を開催。8月10日(日)、東京・日比谷公会堂には台風による悪天候にもかかわらず、日本だけではなく、韓国からも多くのファンが詰めかけ、その人気の高さを証明した。
ソ・イングクは、2009年韓国最大のオーディション番組「スーパースターK」で72万人の中から見事優勝し、同年「Loving U」で歌手デビュー。2012年に「ラブレイン」で俳優デビューを果たすと、その演技力が評価され、韓国の若者の間で社会現象を巻き起こした学園ドラマ「応答せよ1997」で初主演に抜擢されて大ブレイク。先に韓国で出演したドラマ「高校世渡り王」(8月11日最終回放送)もケーブルや衛星放送同時間視聴率1位に輝くなど、俳優としても高い注目を集めている。また日本ではJAPAN 1st ミニアルバム「hug」を6月25日に発売し、自作曲のセルフプロデュースをするなど歌手としての活動も勢力的に行っている。
ファンとの1年ぶりのファンミーティングは、ソ・イングクの胸を揺さぶる歌声からスタート。シックなチェックのジャケット姿で登場すると、グリーンのペンライトが揺れる中、日本での1stアルバムのタイトル曲「Everlasting Love」を歌い上げた。「一緒に!」とソ・イングクがファンに声をかけるとファンも共に歌い、続く「もう、会えなくて」では、切ない歌詞に感情を込めて歌うソ・イングクをファンはうっとりと見つめた。
司会の古家正亨が登場すると、ソ・イングクの仕事やプライベートに迫るトークコーナーへ。一昨日までドラマの撮影があったという多忙な中でのファンミーティングについて、「ファンの皆さんに会えるので本当にうれしい気持ちです」と答え、疲れていませんか?と気遣う司会にも「全然大丈夫です」と笑顔を見せた。
去年7月以来となるファンミーティングについて、「毎回、来る度に皆さんにありがたいと思っているのですが、もしかしたら僕のことを忘れてしまっているんじゃないかなという心配もあります。でもこんなに多くの方が僕のことを待っていてくださって、来てくださって本当にありがたいし、いつも僕の力になっています」とうれしそうにファンを見渡した。客席から「サランヘヨ!」と声がかかると、間髪入れず「ナドサランヘヨ!(僕も愛してます)」とファンに即答するソ・イングクに、客席からは黄色い歓声があがった。
6月25日発売されたアルバム「hug」についても熱く語った。「『hug』というと温かい意味がありますよね。愛すべき人同士ができるものが『hug』ですが、抱きしめられないときにこの単語を聞くと、ものすごく悲しい気持ちになるじゃないですか。そういうことを通して大切な人やものに対してもう一度考えてもらいたい」と言うと、日本語に訳し終わるまで通訳者をじっと見つめるソ・イングク。その表情に会場から「キヨウォー(可愛い)!」と声があがると、「ノドキヨウォ(お前も可愛いよ)」と答える男らしいソ・イングクにファンは大きく湧いた。
作詞、作曲、プロデュースも手がけ、クリエイターとしてもアルバムに参加したソ・イングク。「非常に意味が大きかったと思います。皆さんがこの曲を聞いて喜んでくださるか、好きに思ってくださるかということが気になりました。僕がプロデュースした曲だから、という訳ではなく、本当に心の底から、僕が作曲した曲を皆さんが好いてくれるだろうか。そういった気持ちからプレッシャーを感じたりしました。」と長い答えに途中で通訳者を気遣いながら、さらに続ける。「でも勇気を持ってこの曲をプロデュースしました。僕が実際にプロデュースした曲を皆さんに聴かせたいと思いました。ですから僕にとっては非常に大きな意味がありますし、同じように皆さんにとっても大きな意味を持ってくれればいいなと思いました」と熱く語った。
そしてアルバムの「伝える、つながる」というテーマを今回のファンミーティングでもファンに届けたいという。「いつもファンミーティングでみんなと一緒に思い出を作りましょうというのですが、よく考えてみたら、いつも僕ばかりが皆さんから愛情をもらっていたのではないのかなと思いました。ですから僕個人的にソ・イングクとして、ステージの上でファンの皆さんと一緒に、皆さんのために思い出を作ってあげたい、僕自身の愛を皆さんに伝えていきたいと思っています。そういった気持ちが繋がって、皆さんとの連帯感を持てたらいいなと思っています」。ソ・イングクの温かい気持ちを知り、ファンは大きな拍手で感謝を表した。再び客席から起こる「サランへヨ!」の呼びかけに、ソ・イングクは「ナドサランヘヨ(僕も愛してます)」と即答で応じ、ファンとは相思相愛。愛情確認もバッチリの様子だ。
俳優としても活躍中のソ・イングクは、8月11日に最終回を迎える「高校世渡り王」のドラマ映像の一部を見ながら、演技者としての話題にも及ぶ。同ドラマでは、高校生役と本部長役の一人二役を演じ、「一人二役なので、一度に2つの違う魅力を見せなければいけないというのが大変でした」と振り返る。「撮影しながら、制服を着るのはこれが最後になるのではないかと思っていましたが、(高校生役ができて)光栄でした。撮影時に怪我をしたことについては大丈夫です。大きな問題はないです」とファンを安心させた。
「僕が作品を選ぶときに一番重要なのは、その脚本が面白いか面白くないかだと思っています。このドラマの場合はとにかく脚本がとても面白かったんです。一人二役というキャラクターも魅力でしたし、ファンタジー的な要素をいかに現実的に表現するのか、そういうとところが面白いなと思いました」と、ドラマのオファーを受けた理由を語った。
またドラマのOST「돌아오는길(帰ってくる道)」で自分の歌がOSTになったことについて聞かれると、「本当に正直に言えば、演技をするときはキャラクターを演じている姿だけを見せたいという気持ちが大きいです。今回、OSTの要請を受けたときにとても悩みました。」と打ち明けた。役を演じているときはそのキャラクターだけを見て欲しいのだという。「おかしいじゃないですか?ソ・イングクが“イ・ミンソク”という役を演じているのに、ソ・イングクがそのドラマのOSTを歌うということが。それについて僕はあまり気乗りがしなかったんです。でも多くの人にOSTもやってほしいという声をもらって、監督さんのOKもあったので、結局僕も参加することになったのですが、やはり個人的には演技をしているときには、自分自身で歌うのはちょっとどうかなと思います。恥ずかしいですし(笑)」とファンに本音を語った。
続くコーナーは、抽選で選ばれた4人のファンが「応答せよ1997」、「主君の太陽」、「高校世渡り王」から4つの名場面をソ・イングクと共演し再現するというもの。各場面の映像が流れただけで客席からは「きゃ〜」と歓声があがった。恥ずかしさのあまり緊張したファンに「がんばって〜!」と客席から声援が飛ぶなど、会場は和やかな雰囲気に包まれた。
「主君の太陽」のシーンからソ・イングクが「あなたがしたいことをしましょう」というセリフを言うと、それに対して「歌って」と答えたファンに、尾崎豊の「I love you」韓国語バージョンの一節をさらりと披露。その美しい歌声に会場からはため息が漏れた。また韓国から来たというファンも選ばれ、目の前のソ・イングクに見つめられて動揺しながらも見事にシーンを演じ切り、会場の羨望を集めた。短いシーンでも役柄に応じて声のトーンを変えて演じ分けるソ・イングク。演技の前にするという発声方法などもコミカルに披露し、ファンを楽しませた。
さらに『ボクはあなたをもっと知りたくなっちゃったコーナー』では、ソ・イングクを好きになったきっかけやどこが好きかなどをファンが赤・青・黄色のカードを上げて答え、ソ・イングクがファンの答えを予想するというもの。全部当てたら司会の古家が次回の来日でご飯を奢るという約束に、ソ・イングクは「ご飯じゃなくて、日本で家を買ってください(笑)」とファンを笑わせた。
ファンとたっぷりコミュニケーションをとった後は、歌の世界でファンを酔わせる。日韓通じてフルコーラスで歌うのは初めてだと紹介し、ドラマ「高校世渡り王」のOSTから「돌아오는길(帰ってくる道)」を、続けて「遠ざかる」でも美しい歌声を会場に響かせた。
そして一旦ステージからはけると、カジュアルな長袖のトップスに着替え、黒ぶち眼鏡をかけたソ・イングクが静かにピアノの前に座った。James Ingramの「Just Once」のメロディをピアノで弾きながら熱唱。響き渡るその歌声にファンはうっとりと聴き惚れた。
さらに「君の色」をしっとり歌った後は、ドラマ「応答せよ1997」のOSTでA.pinkのチョン・ウンジと歌う「All For You」。ウンジの部分をファンが韓国語で歌うと、そんなファンの姿に「すごいね!」とうれしそうな表情を見せるソ・イングク。ファンの思いを受け取ってさらに熱く歌い上げると、ファンもそれに応じてさらに大きく歌声を重ね、ファンとソ・インングクの感動的なデュエットが完成した。
「韓国語の歌を皆さん歌ってくれて気分がよかったです」とソ・イングク。歌でたっぷりファンを魅了した後は、選ばれたファンに直筆のサイン入りタオルとTシャツのプレゼント。タオルやTシャツの匂いを嗅ぎ、わざと脇をこすって匂いをつけてからプレゼントしようとするお茶目な姿に会場は大爆笑。
最後に「日本でイベントをもっと頻繁にしたいと思っていたけど、なかなかできずにいて日本のファンに申し訳ない気持ちでいっぱいでした。皆さんが僕を忘れてないかいつも心配ですが、温かく見守ってくださって、特に今日は天気が悪い中、たくさんの方が来てくださって本当に本当に感謝しています」とファンに感謝の思いを伝えた。そして「呼ぶ」を歌うと、1Fや2Fのファンにも手を振り視線を投げかけた。
アンコール曲はガラッと雰囲気を変えて明るいナンバーで。ファンもオールスタンディングでペンライトを高く振り上げ、ダンサーとともに「We Can Dance Tonight」でリズムに乗ってヒートアップ。可愛いキッズダンサーも加わった「Shake It Up」では楽しそうに歌い踊るソ・イングクの笑顔が見られた。イベント終了後には一人一人のファンをハイタッチでお見送り。ソ・イングクの笑顔に見送られ、ファンは幸せそうに会場を後にした。
多忙なスケジュールの中でもファンのためにという想いが感じられるファンミーティングを準備したソ・イングク。客席では日本のファンも韓国のファンも互いに言葉をかけあい、ソ・イングクのステージを共に楽しむ姿が見られた。次はどんな“IMPACT”のある姿を見せてくれるのか。ソ・イングクから目が離せない。
取材:Korepo(KOREAREPORT INC)
写真提供:アービング
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