チャン・グンソクが主演したドラマといえば、様々な作品がすぐに思い浮かんでくる。子役から活躍している彼なので出演作も多い。その中で、やっぱり代表作として推薦したいのが『テバク』だ。この作品を改めて見てみよう。
内に秘めた決意
チャン・グンソクは、『テバク』の主演が決まったときにこう語った。
「2年間大学院に通いながら臥薪嘗胆の姿勢で自分を振り返ってきました」
たきぎの上に寝たり苦い肝をなめたりという故事から生まれた「臥薪嘗胆」という言葉。「大きな目標を達成するために苦労を重ねること」を意味しているが、この言葉を持ち出すほど、チャン・グンソクには期するものがあった。
彼は『テバク』で、王子でありながら捨てられてしまったテギルを演じた。見どころは、弟に当たる英祖(ヨンジョ)と国を賭けた大勝負を行なうところ。スケールが大きいストーリーなのである。
チャン・グンソクの意気込みが凄まじいことは、2016年3月24日にソウルで行なわれた『テバク』の制作発表会でも察することができた。
彼はまったく笑みを見せず、抑揚をおさえた低音で冷静にこう語った。
「この作品をのがしたくない、ぜひやってみたいと考えました。『美男(イケメン)』のようなものを追求する俳優にかぎっていたのではないか、という疑念がいつもありました。(数え)30歳になります。今までのものを捨てて、新しいものを身につけられる作品になるのではないか、と思います」
内に秘めた決意が感じられるコメントだった。(ページ2に続く)