肩を組んで歩く男たち
ドラマや映画で描かれる男同士の関係を表現するときに、たびたび「ブロマンス」という言葉が登場するが、これは「ブラザー(brother)」と「ロマンス(romance)」を組み合わせた造語だ。端的に言えば、男性同士の親しい感情を意味している。
この場合は、友情が中心的な感情ではあるのだが、さらにはお互いを尊重しあう愛情という気持ちも含まれている。ただし、同性愛という性的な関係とは違う。
もともと、韓国社会は、男同士の固い友情を称賛する傾向が強い。
たとえば、兵役があって軍隊に入れば男社会の中で強い友情が芽生えるし、社会に出れば職場で同期や先輩後輩と強い絆が生まれる。酒の席で男同士が固い友情を誓い合うということも多い。
何よりも、街に出れば肩を組んで歩く男同士をよく見かける。あの姿こそがブロマンスの象徴だろう。
そういう意味では、韓国社会そのものがブロマンスのドラマや映画を生み出す下地を持っていた。(ページ3に続く)