落差こそが人間的な魅力
それにしても、コン・ユが出演を決めた際にキム・ウンスク作家に送った「こんなに小心で怖がりなトッケビ(鬼)でも大丈夫であれば、一緒にやりましょう」というメッセージは面白い。
実際に、『トッケビ』の中でコン・ユが演じているキム・シンは「小心で怖がりなトッケビ」そのものではないか。
確かに、キム・シンは900年以上も前の高麗時代に王に裏切られて胸に剣を刺された将軍だった。しかし、現代まで生き続けている彼は、同居する死神とは小さいことでいつもモメているし、胸の剣を抜いてくれるかもしれない高校生のウンタクに次々と攻め込まれてタジタジになってしまっている。
背負っている宿命は重いのだが、現代に生きる男にしては小心の部分が多いのだ。
その落差がまたキム・シンの人間的な魅力になっているのだが、コン・ユはそんなキム・シンを「ときに馬鹿がつくほどに真面目に、ときに見ている人がハラハラするほどに不器用に」演じている。(ページ4に続く)