歌手チョー・ヨンピルが北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長と挨拶を交わす際に、腰をあまりにもたくさん曲げたと一部で議論になっている。これは本当に「歌王の屈辱」であろうか。
チョー・ヨンピルは27日、板門店の平和の家一帯で開かれた「2018南北首脳会談」の晩餐会に招待され、続いた公演で自身の代表曲である「その冬の喫茶店」を熱唱した。その後チョー・ヨンピルは文在寅(ムン・ジェイン)大統領、金正恩夫婦らと挨拶を交わした。その時とらえられたチョー・ヨンピルの姿が議論になった。 自身より33才も若い金委員長に腰を曲げて挨拶をしたことだ。
当該場面が公開されるとすぐに一部のネットユーザーは「とても過度な挨拶だ」として冷たい視線を送った。チョー・ヨンピルが韓国の人々が尊敬し、愛する代表的な歌手という点と、金正恩委員長が彼よりはるかに若いという点などが論議の要因だった。
だが、反対の意見もまた侮れない。「南北対話では文在寅大統領が接待を受けなければならないので、自身を低くした行為だ」「政治的に見る必要はない。文大統領のために、国のために挨拶したことであって、屈したのではない」「金正恩委員長だけにあのように腰を下げたのでもなく、他の人やファンにも礼儀正しくされる方だ」などの反応だ。
実際チョー・ヨンピルは文在寅大統領夫婦にも低い姿勢であいさつをしている姿が見てとれる。双方に同じ態度で臨んでいる。
どちらにも一部正しい部分があるのならば、ひっくり返して考えてみればどうだろうか。 もしチョー・ヨンピルが頭をあまり下げずに軽く挨拶をしたとすれば、果たして論議はなかったのかということだ。2005年、平壌(ピョンヤン)で単独コンサートを開催するほど北朝鮮で有名なチョー・ヨンピルが、もう少し行儀正しくするべきだったと不満を抱いたかもしれない。彼が文在寅大統領夫婦にだけ90度の挨拶をしたとすれば果たして満足したのだろうか。
明らかなのは、挨拶する際に頭をより低く下げることが決して「屈辱的」ではないという事実だ。