映画「模範市民」は、善良で模範的だと思われている行動が、実は自身の利益や自己満足のためのものであることを示す作品。人間の社会的偽善を監督特有の独自の文法で鋭く説いている。ゴミで埋め尽くされた競馬場のトイレに、すっきりとした身なりの主人公(ホ・ジュン扮)が登場しスタートする作品は、11分52秒という短いラーニングタイムにも関わらず、強烈で長い余韻を残す。
これを前に、非コンペティション週間に紹介された韓国人監督の作品としては、2000年チョン・ジウン監督の「ハッピーエンド」、2005年リュ・スンワン監督の「拳が泣いている」、2012年シン・スウォン監督の「家族シネマ」など。以降、作品活動において独自の確固たる演出観を見せているだけに、キム・チョルフィ監督の非コンペティション週間への招待は、また新たな個性派監督の誕生を予感させている。
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