死者を迎える不可思議なレストランを舞台にした本作には、警察官やラーメン屋の店主、同性に好意を抱く男子学生や漫才師など、様々なバックグラウンドを抱えたキャラクター達が登場するが、出演者たちはそれら個性的なキャラクターの役をいくつも担いながら感動的なヒューマンドラマを展開していく。その中で、各出演者がそれぞれのフィールドで培ってきた演技力や表現力を駆使しながら掛け合う姿はまさに必見だ。特に今回の初日公演で漫才師を演じた古谷大和と堀江瞬は、関西弁によるハイテンポな漫才を披露し、客席を大いに沸かせた。
さらにスチール写真による映像表現が従来の朗読劇や舞台にはない、味わい深いものとなっており、本作の最大の魅力の一つといえるだろう。
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