「コラム」連載「康煕奉(カン・ヒボン)のオンジェナ韓流」Vol.9女子団体追い抜き!日韓の明暗

スケート連盟の派閥争い?

ネット上で炎上したのは、先にゴールしたキム・ボルムとパク・ジウがレース後のインタビューで、ノ・ソニョンの力が劣ることや個人的な欲望を語ったためだった。
本来は、3人でチームの和を一番大切にしなければいけない。それなのに、キム・ボルムとパク・ジウはノ・ソニョンをレース中に置き去りにしたばかりでなく、レース後も自分たちはさっさと引き上げてしまって、笑いながらインタビューに応じるという不謹慎な態度を見せた。それで、韓国の人たちの怒りが爆発した。

キム・ボルムは翌日に記者会見を開いて涙を流しながら謝罪をしたのだが、この事態で明らかになったのは3人が一緒に練習する機会がほとんどなかったということだ。
特に、キム・ボルムとパク・ジウは、練習環境の面で優遇されていたのに、ノ・ソニョンはそうではなかった。そこにはスケート連盟の派閥争いもからんでいる、と韓国のメディアは報道している。なんと、韓国スポーツ界にはびこる悪しき体質が見え隠れしているのだ。

調べてみると、3人の選手は同じ韓国体育大学だ。ノ・ソニョンが一番年上で先輩にあたるわけで、上下関係の厳しい韓国スポーツ界を考えると、なぜノ・ソニョンがあれだけ無視される形になったのか不可解だ。
いずれにしても、日本があまりにもチームワークが良かっただけに、逆に韓国の不手際が目立ってしまった。
スケート連盟の派閥争いが影響しているとすれば、被害を受けた選手に同情を禁じえない。

文=康 熙奉(カン ヒボン)

2018.02.24