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劇中でイ・ビョンホンが息子に別れの挨拶をするシーン、撮影時イ・ビョンホンのあまりにもリアルすぎる演技に別れの挨拶をされた息子役の子が思わず悲しみのあまり泣き出してしまい、これには監督もとても驚かされたそう。
脚本では当初、息子役の子は泣く予定ではなく、そのせいで撮影スケジュールが押してしまったのこと。改めて彼の役者としての凄さを再認識させてくれるエピソードだ。
また予算が比較的限られた中で撮影のほとんどがオーストラリアでの海外撮影ということもあり、オーストラリアでの滞在中は休みなく毎日撮影していたようで、これにはさすがのイ・ビョンホンも「テレビドラマより大変だ」と漏らしていたそう。しかしいざ撮影が始まると「ものすごい集中力で演技をして、私とスタッフみんな、期待以上の熱演に感心しました」とハリウッドの大作映画にも数多く出演する彼のプロフェッショナルな一面に、過酷な撮影スケジュールの中にあっても監督は尊敬の念を持って撮影を進めていったようだ。
出演シーンが映画全体の9割にも及ぶなか台詞はごく僅かで、その静かなる感情表現で言葉以上に観客の心を揺さぶる演技を見せている。近年演じてきた悪の魅力や激闘アクションを完全封印し、複雑な感情を言葉ではなく表情や視線に映し出し、高い演技力と幅広い表現力をあらためて立証した。監督は「イ・ビョンホンさんのおかげで作られた映画といっても過言ではありません」と最大限の賛辞を贈った。
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