韓国の街を歩いていて「日本とは違うなあ」と特に感じるのは、人々のファッションの色です。よく見ると、原色系のカラーを派手にデザインした服を着ている人が多いようです。そんな原色の中でも、一番好まれるのは赤なのでしょうか。
赤は情熱の色
日本で軍手と言えば、白色のものが一般的です。手のひらにボツボツとしたゴム斑点が付いた滑り止め付きの軍手の場合、その多くは黄色です。
一方、韓国の軍手も白色が主流ですが、滑り止め付き軍手の場合は斑点ではなく、専用の特殊ゴムを手のひらいっぱいに貼ってあります。
その特殊ゴムは真っ赤な色をしているため、日本から見れば作業をしている人が出血したのかと錯覚するほどです。
ゴム自体は他の色でも良いのに、韓国ではなぜ赤が好まれるのでしょうか。
韓国の国旗である太極旗の中央にも、万物の根源を意味する太極として、大きく赤が描かれています。陰陽の陽を表すこの赤は、情熱的な韓国の人たちにとって、やはり特別な色なのです。
ところが、かつて赤は共産主義を連想させ、軍事独裁政権時代は徹底的に敬遠されてきました。
つまり、1960年代から70年代にかけて赤は忌み嫌われる色だったのです。