『テバク』は俳優としてのチャン・グンソクに多くのものを残した作品だった。彼は放送が終了したとき、「作品を通して、私が一体なぜ俳優を続けているのかという理由を見つけ出すことができました」と語っている。その真意は何だったのか。
今までのものを捨てる
『テバク』の制作発表会が韓国で行なわれたとき、チャン・グンソクは次のように語っていた。
「ディテールやシナリオが目の前に浮かびました。目を閉じてジッとしているときも、もし自分がテギルならどんな表情をするのか、そんな好奇心が生まれました。この作品をのがしたくない、ぜひやってみたいと考えました」
「『美男<イケメン>ですね』のようなものを追求する俳優にかぎっていたのではないか、という疑念がいつもありました。今までのものを捨てて、『テバク』が新しいものを身につけられる作品になるのではないか、と思います」
チャン・グンソクはあえて、『美男<イケメン>ですね』の成功を「疑念」とはっきり指摘した。
彼は過去に執着せず、新しい自分の可能性を『テバク』に見いだそうとしていた。それが、制作発表会で述べた「今までのものを捨てる」という覚悟だったのだ。
実際、チャン・グンソクは『テバク』の撮影では、本物のヘビを食らうほどの俳優魂を見せていた。(ページ2に続く)